陸へあがった河童(おかへあがったかっぱ)
- 自分に合った場所、自分の能力を発揮できる環境から離れたために、無力になる、または意気地が無くなること。
- 天下第一の名城とうたわれた大阪城も、こうして濠をすっかりうめられてしまったのでは、陸へあがった河童のように、無力なものになった。――浅野晃『剣聖 宮本武蔵』偕成社〈偉人物語文庫・103〉、1954年5月、257頁。
- この女郎はこのくらいなやつ、こいつぁこのくらいのやつと、たいがい女郎の値打をして、つきあってやればいいかと思って、陸へあがった河童みたいにぐにゃぐにゃする女郎は、こっちからおさらばだ。――山東京伝「通言総籬」『江戸小説集』上、和田芳恵訳、筑摩書房、1967年2月、111頁。
水中では力が発揮できる河童であっても、陸であがると無力になることから。
- 『故事・俗信 ことわざ大辞典』尚学図書編集、小学館、1982年2月、189頁。