ああん
- (ときに「と」を後置する)
- (オノマトペ) 大きく口を開けるようす。
- クロが、ああんと赤い口をあけました。(新美南吉『正坊とクロ』)
ああんする
- 大きく口を開ける。
- そして必ず丸匙を取りあげて、「ああんしてごらん」と来る。(神西清『地獄』)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | ああんしない | 未然形 + ない |
否定(古風) | ああんせず | 未然形 + ず |
自発・受身 可能・尊敬 | ああんされる | 未然形 + れる |
丁寧 | ああんします | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | ああんした | 連用形 + た |
言い切り | ああんする | 終止形のみ |
名詞化 | ああんすること | 連体形 + こと |
仮定条件 | ああんすれば | 仮定形 + ば |
命令 | ああんしろ ああんせよ | 命令形のみ |
ああん
- 泣きわめく声。
- 威嚇の意図をもって問いかけるときに発する語。
- 日本の巡査は…(中略)…「くや人民ッ、ああん」と云った時分から、伝統的に、威張るようにできている。(直木三十五『大阪を歩く』)