おられる
日本語
編集動詞句
編集おられる【居られる】(動詞「おる」の未然形+尊敬の助動詞「れる」)
- 「いる(…ている)」の丁寧、または尊敬の表現。いらっしゃる。
- その時にある人が板のような厚い博多織の男帯を持って来まして、これは今上方から博多に来ている力士の帯で、わざわざ博多へ注文して織らせて上方で仕立てさしたものだけれど、何だか結び目が工合が悪くて気に入らないから、又仕立て直さしたけれども矢張りいけない。博多織を扱いつけておられるこっちのお師匠さんよりほかに仕立て直して頂く処がなくなりましたから持って来ましたと申しました。(夢野久作『押絵の奇蹟』)
- 来会者は訊問されることもなく、すぐ解散を許された。/残ったのは、総監と、特に居残りを命じられた楽士であった。/「あなた方は一段高い席におられたのですが、犯行を目撃された方はおりませんか」(坂口安吾『明治開化 安吾捕物帖』)
- 「皇后さまは週日のほぼ連日のご公務に加え,土日や祝日にもしばしば公的な行事や祭祀をお務めになっておられます。陛下のご健康を案じられ,早朝のご散策やお時間の許す限りテニス等をつとめて陛下と共になさるように心掛けておられます。また,お忙しいご公務の合間に読書をされたりピアノの練習も少しずつ続けておられ,……」(宮内記者会の質問に対する文書ご回答)
参考
編集- 「おる」を謙譲語としか使用・認識しない地域(東京などの関東地方)の出身者・年齢層には、「『おる』は謙譲語であるのに対し『れる』は尊敬語であるため、「おられる」は相手を一旦引き下げておいてまた引き上げることになり、差引きゼロで敬語になっていない」という理由で、この語法を不正確な敬語であると考える者もある。
- 「おる」を丁重語、または一般の動詞と認識する地域(京都・大阪周辺を除く西日本)の出身者・年齢層にとっては、何の問題もない語法である。「いる」よりも丁寧で、「いらっしゃる」よりは丁寧さの劣る表現として用いられる。