いる【入る】
- (自動詞) はいる。外から中へと移動する。
- 主に京都で、東西方向の移動を表す方言。単独では用いられず、「東入る」(東方向への移動)「西入る」(西方向への移動)の形で、若しくは「る」をカタカナにした「東入ル」「西入ル」の形で用いる。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | いらない | 未然形 + ない |
意志・勧誘 | いろう | 未然形音便 + う |
丁寧 | いります | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | いった | 連用形音便 + た |
言い切り | いる | 終止形のみ |
名詞化 | いること | 連体形 + こと |
仮定条件 | いれば | 仮定形 + ば |
命令 | いれ | 命令形のみ |
いる【要る】
- (自動詞) 必要とされる。必要だ。
- (自動詞) ほしいと思う。
- (「いらない」「いらぬ」などの形で)しなくていい。すべきでない。余計だ。
- (近畿方言, 補助動詞) (「していらん」の形で)しなくていい。しないでほしい。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | いらない | 未然形 + ない |
意志・勧誘 | いろう | 未然形音便 + う |
丁寧 | いります | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | いった | 連用形音便 + た |
言い切り | いる | 終止形のみ |
名詞化 | いること | 連体形 + こと |
仮定条件 | いれば | 仮定形 + ば |
命令 | いれ | 命令形のみ |
- 古典日本語「いる」(上古はヤ行の「い」)を語源とするもの。
いる【射る】
- (他動詞) ものに向かって矢を放つ。撃つ。
- 彼は大きく構えて射た。
- 用法:「はなつ」は、弓弦にかけた指を外し矢を飛ばす事実のみを言うが、「いる」は、放った矢をものに当てる意思を含む。従って、「○彼は大空に向かって、矢を放った」と言えるが、「×大空に向かって、矢を射た」は正しくない。
- (他動詞) 放った矢によりねらったものを射抜く、射当てる。またそのように試みる。
- 百歩を隔てて柳葉を射るに百発百中するという達人だそうである。(中島敦「名人伝」)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | いない | 未然形 + ない |
意志・勧誘 | いよう | 未然形 + よう |
丁寧 | います | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | いた | 連用形 + た |
言い切り | いる | 終止形のみ |
名詞化 | いること | 連体形 + こと |
仮定条件 | いれば | 仮定形 + ば |
命令 | いろ いよ | 命令形のみ |
いる【炒る・煎る・熬る】
- (他動詞) 火にかける。調理において鍋などを用い、強く熱を加え、水気を飛ばす。いりつける。
- (他動詞) 自然乾燥したものを鍋などに入れて加熱し、さらに水分を飛ばして香ばしくまたくだけやすくする。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | いらない | 未然形 + ない |
意志・勧誘 | いろう | 未然形音便 + う |
丁寧 | いります | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | いった | 連用形音便 + た |
言い切り | いる | 終止形のみ |
名詞化 | いること | 連体形 + こと |
仮定条件 | いれば | 仮定形 + ば |
命令 | いれ | 命令形のみ |
いる【鋳る】
- (他動詞) 鋳造する。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | いない | 未然形 + ない |
意志・勧誘 | いよう | 未然形 + よう |
丁寧 | います | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | いた | 連用形 + た |
言い切り | いる | 終止形のみ |
名詞化 | いること | 連体形 + こと |
仮定条件 | いれば | 仮定形 + ば |
命令 | いろ いよ | 命令形のみ |
いる【熟る】
- (自動詞) 熟する。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | いらない | 未然形 + ない |
意志・勧誘 | いろう | 未然形音便 + う |
丁寧 | いります | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | いった | 連用形音便 + た |
言い切り | いる | 終止形のみ |
名詞化 | いること | 連体形 + こと |
仮定条件 | いれば | 仮定形 + ば |
命令 | いれ | 命令形のみ |
いる【居る】
- (自動詞) (生物がそこに)存在する。
- (「(するような者は)いない」「(するような者が)いるか」などの形で)普通はしない。すべきでない。したことは問題だ。
- あの場面で勝負を避けるストライカーはいなかったな、と後悔している。
- そんなところで寝る人間がいるか。早く部屋に入りなさい。
- (自動詞) 滞在する。
- (自動詞) とどまる。
- (自動詞) すわる。
- (補助動詞)その状態を保つことをする。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | いない | 未然形 + ない |
意志・勧誘 | いよう | 未然形 + よう |
丁寧 | います | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | いた | 連用形 + た |
言い切り | いる | 終止形のみ |
名詞化 | いること | 連体形 + こと |
仮定条件 | いれば | 仮定形 + ば |
命令 | いろ いよ | 命令形のみ |
- 連用中止形「い」および否定の連用中止形「いず」「いなく」はあまり用いられず、て形(連用形+助詞「て」)の「いて」「いなくて」、または、おるの連用中止形「おり」「おらず」で代替されることが多い。