たのしみ【楽しみ】
- 楽しいと感じる対象。
- 制作は、苦しみの中に強く楽しみを 捜しています。(上村松園 『苦楽 ある人の問いに答えて――絵を作る時の作家の心境について私はこう考えています。』)
- 何かを楽しくやっていること。遊戯、宴会、性交などを指す。
- お楽しみのところを申し訳ありませんが、もう少し静かにできませんか。
- 期待して心待ちにすること。
- 久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。(太宰治 『走れメロス』)
- 来週もお楽しみに。
- (多く「おたのしみ」の形で)中身が何かは知らされていないが、そのぶん期待をかきたてられること。
- 何が飛び出すかは箱を開けてのお楽しみ。
- お楽しみギフトセット
- (東京式) たのしみ [tànóshíꜜmì] (中高型 – [3])
- (東京式) たのしみ [tànóshímíꜜ] (尾高型 – [4])
- (東京式) たのしみ [tànóshímí] (平板型 – [0])
- IPA(?): [ta̠no̞ɕimʲi]
- (京阪式) たのしみ
- 楽しい。
- 爽かな朝風に、波のように蚊帳が吹き上っていて、まことに楽しみな朝の寝ざめなり。(林芙美子 『新版 放浪記』)
- 僕達は先生と一緒に弁当をたべましたが、その楽しみな弁当の最中でも僕の心はなんだか落着かないで、その日の空とはうらはらに暗かったのです。(有島武郎 『一房の葡萄』)
- 期待して心待ちである状態。
- 私は、あなたのお母さんを、うらやましく思います。こんな立派なお子さんがおありだと、どんなに楽しみな事でしょう。それに較くらべてハムレットは、もう私は、あんな具合だと末の見込みも無いような気がします。(太宰治『新ハムレット』)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
推量・意志 | たのしみだろう | 未然形 + う |
過去・完了 | たのしみだった | 連用形 + た |
否定形 | たのしみでない | 連用形 + ない |
自動詞化 | たのしみになる | 連用形 + なる |
言い切り | たのしみだ | 終止形のみ |
名詞化 | たのしみなこと | 連体形 + こと |
仮定条件 | たのしみならば | 仮定形 + ば |
様態 | たのしみそうだ | 語幹 + そうだ |