べろべろ
- しきりと舌で舐めるさま。
- 二疋の雪狼が、べろべろまつ赤な舌を吐きながら、象の頭のかたちをした、雪丘の上の方をあるいてゐました。(宮沢賢治 『水仙月の四日』)
- 薄っぺらいさま。
- その屏風には妙にべろべろした葉の竹が巧に描かれていた。(夏目漱石 『行人』)
- (東京式) べろべろ [béꜜròbèrò] (頭高型 – [1])
- IPA(?): [be̞ɾo̞be̞ɾo̞]
べろべろ
- 薄物が何かの表面に付着し、不安定なさま。
- 可笑しいことには、古来の屋根の一型式に従ってこけら葺の上に石ころを並べたのは案外平気でいるそのすぐ隣に、当世風のトタン葺や、油布張の屋根がべろべろに剥がれて醜骸を曝らしているのであった。(寺田寅彦 『颱風雑俎』)
- ひどく酒に酔ったさま。
- 一層この場で酔いつぶれてさえしまえば周囲の者が結句どうにか始末をつけてくれるだろうと、君江は松崎老人の卓に来て、「今夜わたしべろべろに酔って見たいのよ。オトカを飲まして頂戴。」(永井荷風 『つゆのあとさき』)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
推量・意志 | べろべろだろう | 未然形 + う |
過去・完了 | べろべろだった | 連用形 + た |
否定形 | べろべろでない | 連用形 + ない |
自動詞化 | べろべろになる | 連用形 + なる |
言い切り | べろべろだ | 終止形のみ |
名詞化 | べろべろなこと | 連体形 + こと |
仮定条件 | べろべろならば | 仮定形 + ば |
様態 | べろべろそうだ | 語幹 + そうだ |
- (東京式) べろべろ [bèróbéró] (平板型 – [0])
- IPA(?): [be̞ɾo̞be̞ɾo̞]