余裕
日本語
編集この単語の漢字 | |
---|---|
余 | 裕 |
よ 第五学年 |
ゆう 常用漢字 |
音読み |
発音
編集名詞
編集- 余っていてゆたかであること。時間や金銭、スケジュールなどにゆとりがあること。あきがあること。
- その頃は、私にも、少しお金の余裕があったのである。(太宰治『東京八景(苦難の或人に贈る)』)
- 覚え書を覚え書のまま発表するのは時間の余裕に乏しい為である。(芥川龍之介『鸚鵡―大震覚え書の一つ―』)
- 私は目下例の通り断り切れなくなつて、引き受けた原稿を、うんうん云ひながら書いてゐるので、あなたの出された問題に応じる丈、頭を整理してゐる余裕がありません。(芥川龍之介『はつきりした形をとる為めに』)
- 精神的にゆったりとして焦らないこと。気楽でのんびりしていること。
- もう少し私は詩の中に余裕をもちたい。「笑ひ」といふやうなものをゆつくり詩に書いてみたい。(尾形亀之助『私と詩』)
- 少し、蒼白めた顔をして、上背のある荒木が、長い、厚い刀を構えていた。半兵衛より、ずっと高くて、がっしりしていた。羽織もなく、鎖鉢巻をして、十分に、軽い身なりであった。そして、その脣に、微かな余裕の笑をみせ、その呼吸は落ちつき、その構えは十分に、その足は正確に――、(略)(直木三十五『寛永武道鑑』)
- 余裕の表情。余裕のコメント。
- まだまだ先だと思って余裕こいてたら締切間近になってしまった。
- 時間や金銭、スケジュール、態度などに意図的にゆとりや幅をもたせること。
- 湯本から荷置場迄登り四時間下り三時間と見て、合計十三時間の行程であるが、これは余裕のある見積りであるから、天候さえよければ困難ではあるまい。(木暮理太郎『那須、尾瀬、赤城、志賀高原』)
- なにごとも余裕を持ってあたらないと。事態は深刻ですけど。(片岡義男『物のかたちのバラッド』)
- 余力を残して楽にできること。制約が少なく容易なこと。問題にならないこと。楽勝。
- そのくらいのことなら余裕でできる。
- 基準となるものと比べ数量の差がかなりあること。
- ひと月に百万円くらいは余裕で稼いでたね。
類義語
編集関連語
編集中国語
編集形容詞
編集- 余裕のある。ゆとりのある。