天衣無縫

日本語

成句

天 衣 無 縫（てんいむほう）

1. 無邪気で飾り気のない様子。
   • フランス革命の際、暴徒たちが王の居室にまで乱入したが、その時、フランス国王ルイ十六世、暗愚なりと雖も、からから笑つて矢庭に暴徒のひとりから革命帽を奪ひとり、自分でそれをひよいとかぶつて、フランス万歳、と叫んだ。血に飢ゑたる暴徒たちも、この天衣無縫の不思議な気品に打たれて、思はず王と共に、フランス万歳を絶叫し、王の身体には一指も触れずにおとなしく王の居室から退去したのである。（太宰治『津軽』）
2. 詩歌に飾り気がなく、しかも美しいこと。

活用と結合例

天衣無縫-だ 形容動詞活用表（日本語の活用）

ダ活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
天衣無縫	だろ	だっ で に	だ	な	なら	(無し)

各活用形の基礎的な結合例

意味	語形	結合
推量・意志	天衣無縫だろう	未然形 + う
過去・完了	天衣無縫だった	連用形 + た
否定形	天衣無縫でない	連用形 + ない
自動詞化	天衣無縫になる	連用形 + なる
言い切り	天衣無縫だ	終止形のみ
名詞化	天衣無縫なこと	連体形 + こと
仮定条件	天衣無縫ならば	仮定形 + ば
様態	天衣無縫そうだ	語幹 + そうだ

由来

• 前蜀牛嶠『霊怪録・郭翰』中の句「徐視其衣並無縫，翰問之，曰『天衣本非針線為也』」（天女の衣には縫い目がないという伝説を伝える）より。

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中国語

発音^(?)

• 普通話: tiānyīwúfèng
• 國語: ㄊㄧㄢ ㄧ ㄨˊ ㄈㄥˋ

成句

天 衣 無 縫（簡体字:天衣无缝）

1. 物事が完璧で、不整合なところがない。
   • 菶如喊道：「你們等等兒，我要挖補一個字呢！」唐卿道：「我替你挖一挖好麼？」菶如道：「也好。」唐卿就替他補好了。雯青看著道：「唐卿兄挖補手段，真是天衣無縫。」 （『孽海花』「第五回 開搏賴有長生庫 插架難遮素女圖」）
2. 詩歌に飾り気がない様子