反物の布生地を、着物の帯に使用するにはやや短く、逆に襷に使うにはやや長く襷を掛けたときに長さが余ってしまう状況から。
帯に短く襷に長し(おびにみじかくたすきにながし)
- 一方では足りず、もう一方では余り、中途半端で不便である様子。
- 平凡な私の生活でたつた一つ忘れられぬ事は、三年前に妻を喪つたことで、それから後は、独身者、子もなし、母と二人きりののんきな暮しである。後ぞいをもらわぬ気でもなし、またいろいろ世話をしてくれた人もあるが、古いたとえの、帯に短し襷に長し、でもう四十にまもないのにこのところ、一人者である。(浜尾四郎 『殺人鬼』)
「役に立たない物」や「無能な人間」を指すように思われることもあるが、この諺で使用する対象が別の状況においては、合理的であったり適合性が高かったりする物や状況であったりすることもあるので、そのような認識で使用するのは妥当ではない。