断じる

日本語

動詞

断じる (だんじる)

1. (他動詞) （「～と断じる」「～を断じる」「～を～と断じる」などの形で）断定する。
   • 1937年、戸坂潤「日本文化の特殊性」

     教学は、少くとも封建的な或いは寧ろアジア的な社会機構と、何か一定の函数関係を有つと見てよい。今すぐに之を断じることは私には出来ないが、そういう見解の見透しを持つ理由が多々ある。

   • 1946年、太宰治「親という二字」

     おどおどして、そうして、どこかずるそうな、顔もからだもひどく小さい爺さんだ。大酒飲みに違いない、と私は同類の敏感で、ひとめ見て断じた。

2. (他動詞, 文章語) 絶つ。
   • 1947年、高神覚昇「般若心経講義」

     いったい仏教の理想は、「迷いを転じて悟り開く」ことです。煩悩を断じて菩提を得ることです。つまり凡夫が仏陀になることです。

3. (他動詞, 文章語) 裁決する。
   • 1925年、国枝史郎「大鵬のゆくえ」

     殊には和泉守は学問好き、それに非常な名奉行で、在職年限二十一年、近藤守重の獄を断じて一時に名声を揚げたこともあり［…］

活用

断（だん）-じる 動詞活用表（日本語の活用）

ザ行上一段活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
断（だん）	じ	じ	じる	じる	じれ	じよ じろ

各活用形の基礎的な結合例

意味	語形	結合
否定	断（だん）じない	未然形 + ない
意志・勧誘	断（だん）じよう	未然形 + よう
丁寧	断（だん）じます	連用形 + ます
過去・完了・状態	断（だん）じた	連用形 + た
言い切り	断（だん）じる	終止形のみ
名詞化	断（だん）じること	連体形 + こと
仮定条件	断（だん）じれば	仮定形 + ば
命令	断（だん）じよ 断（だん）じろ	命令形のみ

派生語

• 断じて

関連語

• 断ずる（サ変形）