桃花心木 (とうかしんぼく 又は マホガニー)
- (植物, 木) センダン科マホガニー属に属する常緑高木の総称。学名:Swietenia mahogoni。
- 豫備の客間と寢室は古風な桃花心木と臙膩色の家具類で、すつかりその目的に適かなつた。廊下には粗織布を、階段には敷物を敷いた。(シャーロット・ブロンテ『ジエィン・エア:02 ジエィン・エア』)
- その部屋のカミンに燃えている火も、火かげの映つった桃花心木の椅子も、カミンの上のプラトオン全集も確かに見たことのあるような気がした。(芥川龍之介『彼 第二』)
- いかにも、今迄気が付かなかつたが、其処の小さい桃花心木の卓の上に、卓上電話が置かれてゐた。(菊池寛『真珠夫人』)
- 尤もその代りこちとらの勤めむきは上品なもので、萬事にかけて清潔なことは金輪際、縣廳などでは見られたものでなく、卓子は桃花心木製だし、上役だつてみんな、『あなた』言葉だ……。(ニコライ・ゴーゴリ『狂人日記』)
- 桃花心木色の半円形のテーブルの上のコップに、日本の狐のしっぽのような穂草や紫色の野草の花が插さっている。(宮本百合子『おもかげ』)
- 桃花心木やチークの大木と大木との間を縫って、だらだらと降り切ると、やがて向う側の山の登りに掛かった。(橘外男『ウニデス潮流の彼方』)
- またえぞにふと桃花心木の柵(宮沢賢治『春と修羅』)
- 「ええ? そう、そう。……あのデスクと、それからあの桃花心木の戸棚は、ジューコフ将軍の農奴だった素人指物師のグレーブ・ブトィガが、親爺のために作ってくれたものでね。そう……。その道にかけちゃなかなかの名人だったよ。」(アントン・チェーホフ『妻』)
- 褐色の薔薇の花、陰鬱な桃花心木の色、褐色の薔薇の花、免許の快樂、世智、用心、先見、おまへは、ひとの惡るさうな眼つきをしてゐる、僞善の花よ、無言の花よ。(上田敏『牧羊神』)
- 標準中国語:
- ピンイン: táohuāxīnmù
- 注音符号: ㄊㄠˊ ㄏㄨㄚ ㄒㄧㄣ ㄇㄨˋ
桃 花 心 木
- (植物) (木材としての)マホガニー。センダン科の常緑高木。