ささる【刺さる】
- 長さを持ったものが、ある物体に、一部を外部に残して突き入る。
- 肴の骨が咽喉に刺さった時のように、私は苦しんだ。(夏目漱石『こゝろ』)
- ふと、私は針の先が虫の背中にプツリと刺さる音が、この時厭に神経的に私の胸にも刺さるやうに伝つた、私は思はず胸に手をあてゝ、眉を顰めました。(牧野信一 『趣味に関して』)
- (比喩) 強い刺激を与える。
- 熱情の溢れたような文字が、彼の目に痛く刺さるので、ろくに読む気にもなれなかった。(徳田秋声 『仮装人物』)
- (比喩: 「胸に刺さる」「心に刺さる」などの形で) 記憶に残り気にかかる。
- 安藤弥生は、きりきりと胸に刺さるやうな幾島の言葉を、そのまゝ刎ね返す力もなく、恨めしげに唇を嚙んだ。(岸田國士 『泉』)
- 強く印象に残り感動する。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | ささらない | 未然形 + ない |
意志・勧誘 | ささろう | 未然形音便 + う |
丁寧 | ささります | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | ささった | 連用形音便 + た |
言い切り | ささる | 終止形のみ |
名詞化 | ささること | 連体形 + こと |
仮定条件 | さされば | 仮定形 + ば |
命令 | さされ | 命令形のみ |