日本語

編集

動詞

編集

する (ぎょする)

  1. (他動詞, 文章語) 水産物魚介類を〕取り集める。漁獲する。
    • 1897年、徳冨蘆花「漁師の娘」[1]
      空より湧いて清い一と声、秋の夕の森とした空気を破って、断続の音波が忽ち高く忽ち低く蘆の一葉一葉を震わして、次第次第に霞が浦の水の上に響いて行く時は、わかさぎを漁して戻る島の荒し男も身震いして橈をとどめた。
    • 1927年、高浜虚子「俳句とはどんなものか」[2]
      「時雨来や」の句は、近江の湖水で取れる魦を漁する船が湖上にたくさん出ていたが、にわかに時雨が降ってきたので今まで静かに並んで漁していたのが急に列を乱し始めた、というのであります。

活用

編集
漁-する 動詞活用表日本語の活用
サ行変格活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形


する する すれ せよ
しろ
各活用形の基礎的な結合例
意味 語形 結合
否定 漁しない 未然形 + ない
否定 漁せず 未然形 +
自発・受身
可能・尊敬
漁される 未然形 + れる
丁寧 漁します 連用形 + ます
過去・完了・状態 漁した 連用形 +
言い切り 漁する 終止形のみ
名詞化 漁すること 連体形 + こと
仮定条件 漁すれば 仮定形 +
命令 漁せよ
漁しろ
命令形のみ
  1. 青空文庫(2019年11月24日作成。底本:「梅一輪・湘南雑筆(抄)徳冨蘆花作品集 吉田正信編」講談社文芸文庫、講談社、2008(平成20)年1月10日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000280/files/59236_69728.html
  2. 青空文庫(2014年3月7日作成。底本:「俳句とはどんなものか」角川文庫、角川学芸出版、2009(平成21)年11月25日初版)https://www.aozora.gr.jp/cards/001310/files/55509_53180.html