逆鱗
日本語
編集名詞
編集由来
編集龍の喉元には一枚逆向きに生えた鱗(逆鱗)があり、これに触ると怒って人を殺してしまうとの故事より。出典は、『韓非子』の「説難(ぜいなん)」篇であり、君主を臣下が説得することの困難さについて述べた以下のくだりにある。
- 白文
- 夫龍之爲蟲也 柔可狎而騎也 然其喉下有逆鱗徑尺 若人有嬰之者 則必殺人 人主亦有 逆鱗 說者能無嬰人主之逆鱗 則幾矣
- 書下し
- 夫(そ)れ龍の蟲(むし)たるや、柔(じゅう)なるときは狎(な)れて騎(の)るべきなり。然(しか)れども其(そ)の喉下(こうか)に逆鱗の径尺(けいしゃく)あり、若(も)し人之(これ)に嬰(ふ)るる者有らば、則(すなわ)ち必ず人を殺す。人主(じんしゅ)も亦(ま)た逆鱗有り。説者(ぜいしゃ)能(よ)く人主の逆鱗に嬰るること無くんば、則ち幾(ち)かからん。
- 大意
- 龍という生きものは、穏やかな時には、馴染めば(背中に)またがる事もできるものだ。しかし、竜の喉元には鱗が逆さに生えた部分があり、これに触れる者がいると、(竜は怒り)その者をすぐに間違いなく殺してしまう。君主にも同じように逆鱗がある。(臣下の)発言者は、(具申の際に)自ら君主の逆鱗に触れるようなことがなければ、(上手くいく結果が)近いものである。
関連語
編集- 成句: 逆鱗に触れる
翻訳
編集- 英語: wrath
中国語
編集名詞
編集- 龍の喉元にあって、触ると龍が激怒し触った者を殺してしまうとの伝説がある鱗。
- 触れることにより目上の者の激怒を招く事柄。