関する (かんする)
- (自動詞) かかわる。関係する。関連する。
- 1917年、森鴎外「細木香以」[1]
- 細木香以は津藤である。摂津国屋藤次郎である。わたくしが始めて津藤の名を聞いたのは、香以の事には関していなかった。香以の父竜池の事に関していた。
- 1924年、寺田寅彦「鑢屑」[2]
- 専門学者から見ると、自分の専門に関する事柄が、目の前に大きく拡がって、それに直接関しない事柄は、きわめて小さく見え、あるいはまるで眼につかなかったりする事がある。
- 1946年、織田作之助「中毒」[3]
- スタンダールの生涯を最もよく象徴した言葉だと、人は言う。たしかにその通りであろう。その点に関しては、私にはいささかの異議はない。
- (自動詞) 関知する。関与する。
- 1883年、福沢諭吉「学問の独立」[4]
- 前にいえる林家及びその他の儒流、なお上りて徳川の初代にありては天海僧正の如き、かつて幕政に関せずして、かえって時として大いに政機を助けたるは、決して偶然に非ざるなり。
- 1916年、新渡戸稲造「自警録」[5]
- 右に述べたのは相手を信用してかかれという意味であるが、これに相伴って必要な一つの覚悟があると思う。それは他人のことに関せぬ自分自身の態度である。
- (語義1)助詞「に」を伴い、「に関する」「に関して」などの形で助詞的に用いられる。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | 関しない | 未然形 + ない |
否定(古風) | 関せず | 未然形 + ず |
自発・受身 可能・尊敬 | 関される | 未然形 + れる |
丁寧 | 関します | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | 関した | 連用形 + た |
言い切り | 関する | 終止形のみ |
名詞化 | 関すること | 連体形 + こと |
仮定条件 | 関すれば | 仮定形 + ば |
命令 | 関しろ 関せよ | 命令形のみ |