日本語 編集

動詞 編集

じる (ちんじる)

  1. (他動詞, 文章語) 主張する。
    • 1886年、徳富蘇峰「将来の日本」[1]
      吾人はわが将来の日本はもとより多事なりといえども、その第一急務は一国の生活を維持するにあることを陳じたり。
    • 1920年、喜田貞吉「俗法師考」[2]
      右の文書は清水坂非人から奈良坂非人の不法を訴えたのに対して、奈良坂非人がそのしかるべからざる所以を陳じたもので、実状はいわゆる原被両造の申状を合わせみねばわからぬが、ともかく東大寺領の奈良坂非人というものが、仁治・寛元の際からここにあったことは明らかである。
    • 1943年、正岡容「我が圓朝研究」[3]
      そのころまだ安次郎は横山町の島伝という糶呉服屋に勤めていたのであるが、その主人至っての強慾で詫びに連れていってくれた金兵衛がどう陳じても盗られた六十両を返せといって肯じない。

活用 編集

ちん-じる 動詞活用表日本語の活用
ザ行上一段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
ちん じる じる じれ じよ
じろ
各活用形の基礎的な結合例
意味 語形 結合
否定 ちんじない 未然形 + ない
意志・勧誘 ちんじよう 未然形 + よう
丁寧 ちんじます 連用形 + ます
過去・完了・状態 ちんじた 連用形 +
言い切り ちんじる 終止形のみ
名詞化 ちんじること 連体形 + こと
仮定条件 ちんじれば 仮定形 +
命令 ちんじよ
ちんじろ
命令形のみ

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  1. 青空文庫、2013年1月22日作成(底本:「日本の名著 40」中央公論社、1982(昭和57)年2月25日3版発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001369/files/49622_54223.html
  2. 青空文庫、2014年8月27日作成(底本:「差別の根源を考える」河出書房新社、2008(平成20)年9月30日初版発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001344/files/54856_49955.html
  3. 青空文庫、2009年1月7日作成(底本:「小説 圓朝」河出文庫、河出書房新社、2005(平成17)年7月20日初版発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001313/files/47781_34125.html