アイヌ語

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カナ表記 

発音(?)

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ク↗ア↘ニ

代名詞

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口語 一人称単数 本来は贅語

  1. わたくし自身)。
  2. (本来、主語を強調して)私なら。私としては。私こそ。
  3. 〔現代アイヌ語〕(主語を文頭にもってきて)わたしは。

語源

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ku=an-i

ku=an 「我あり」に名詞法語尾 -i が添って出来た形(知里「アイヌ語法概説」(1936,1974))

例文

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  • Kuani, aynu ku=ne. 「我あるよう、アイヌにて 我なり。= 私はアイヌ/人間です。私こそがアイヌです(= Kuani anakne aynu ku=ne.)。」

関連語

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アイヌ語各方言の人称代名詞
沙流方言[1] 十勝方言 ライチシカ方言
一人称 単数 káni (カニ) kuani (クアニ) kuani (クアニ)
複数[注 1] cóka (チョカ) ciokay (チオカィ) / ciutari (チウタリ) anoka (アノカ) / anokayahcin (アノカヤㇵチㇴ)
二人称 単数[注 2] eáni (エアニ) eani (エアニ) eani (エアニ)
複数[注 2] ecioká (エチオカ)[注 3] eciokay (エチオカィ) / eciutari (エチウタリ) ecioka (エチオカ) / eciokayahcin (エチオカヤㇵチㇴ)
三人称 単数 sinúma (シヌマ) anihi (アニヒ) (なし)
複数 oká (オカ) okay (オカィ) (なし)
不定称 [注 4] 単数 asinúma (アシヌマ) anokay (アノカィ) / anutari (アヌタリ) (なし)
複数 aoká (アオカ) (なし)
  1. 除外的一人称複数(話し手の「私」と第三者の「彼ら」を含み、聞き手の「あなた」を含まない)
  2. 2.0 2.1 敬称ではない
  3. 沙流方言の二人称複数の敬称については、utar (ウタㇻ)utaroka (ウタロカ)の形もあると言う。
  4. 不定称は、不定の指示対象のみでなく、包括的一人称複数(話し手の「私」と聞き手の「あなた」、あるいは話し手の「私」と聞き手の「あなた」と第三者の「彼ら」)、二人称単数・二人称複数の敬称及び話者指示的な(logophoric [2]、すなわち引用文において意識主体を表す)人称も表す。)

参考文献

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  1. 田村 すヾ子 (1971). “アイヌ語沙流方言の人称代名詞”. 言語研究 1971 (59): 1–14. doi:10.11435/gengo1939.1971.59_1. 
  2. Anna Bugaeva (2008). “Reported Discourse and Logophoricity in Southern Hokkaido Dialects of Ainu”. Gengo Kenkyū (133): 31-75.