呆 れる, 惘 れる(あきれる)
- (やや古)意外な事に直面して、驚いたり、声が出なくなったりする。呆然とする。
- 彼女(=おげん)は掴(つか)ませるつもりもなく、熱い火箸をおさだに掴ませようとした。/「熱」/とおさだは口走ったが、その時おさだの眼は眼面(まとも)におげんの方を射った。/「気違いめ」/とその眼が非常に驚いたように物を言った。おさだは悲鳴を揚げないばかりにして自分の母親の方へ飛んで行った。何事かと部屋を出て見る直次の声もした。おげんは意外な結果に呆(あき)れて、皆なの居るところへ急いで行って見た。(島崎藤村『ある女の生涯』)
- 程度の低いものや度が過ぎるものを見聞きするなどして、うんざりしたり、困惑したり、ばかばかしく思ったりする。唖然とする。仰天する。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | あきれない | 未然形 + ない |
意志・勧誘 | あきれよう | 未然形 + よう |
丁寧 | あきれます | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | あきれた | 連用形 + た |
言い切り | あきれる | 終止形のみ |
名詞化 | あきれること | 連体形 + こと |
仮定条件 | あきれれば | 仮定形 + ば |
命令 | あきれろ あきれよ | 命令形のみ |
- 驚く
- 愕然となる
- 唖然とする
- うんざりする
- 精神的打撃を受ける
- びっくりする