せつない

日本語

語源

• 古典日本語「せつなり」の転。

形容詞

せつない【切ない】

1. 感傷にひたること。さびしい、こいしい、ものがなしい、心が締め付けられるような気持ち。
   • 理解せられざることは、たしかに切ないかも知れぬ。私もせつない時は、あった。然し、文学者、芸術家が、特に、ということはない。人間すべて同じこと、それだけのことではないか。 （坂口安吾 『私は誰？』）
2. 苦境を打破する方法が見つからず、耐えがたいほど苦しい。
   • プロレタリア・農民の女の生活はこういう状態の下で、切ない男の生活より更に切ない最悪の条件におかれている。資本主義が行詰ると、女と子供とを一層むごく搾りはじめる。（宮本百合子、『婦人と文学の話』、1932年）

活用

活用と結合例

せつな-い 形容詞活用表（日本語の活用）

語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
せつな	かろ	く かっ	い	い	けれ	(無し)

各活用形の基礎的な結合例

意味	語形	結合
推量・意志	せつなかろう	未然形 + う
否定形	せつなくない	連用形 + ない
過去・完了	せつなかった	連用形 + た
言い切り	せつない	終止形のみ
名詞化	せつないこと	連体形 + こと
仮定条件	せつなければ	仮定形 + ば
様態	せつなそうだ	語幹 + そうだ

派生語

せつなさ

関連語

• はかない
• もろい
• かなしい

翻訳

• 英語: heartrending