つるむ
- 【交尾む・孳尾む・遊牝む】性交する。交尾する。おもに人間以外の動物や虫に対して用いる。
- ひとびとはその四つ辻に集まり哀しげに犬のつるむを眺め居たり(萩原朔太郎 『ふるさと』)
- 「邪神は年経たる蛇なり、かれが性は婬なる物にて、牛と孳みては麟を生み、馬とあいては竜馬を生むといえり、この魅わせつるも、はた、そこの秀麗に奸けたると見えたり」(田中貢太郎『蛇性の婬 雷峯怪蹟』)〔1928〕[1]
- 【連む】仲間といっしょに行動する。悪事をなすために連携する。結託する。
- モリヨリヨンは、狂馬楽が先代文楽と、それぞれの前名千枝伝枝のお神酒徳利でつるんで歩いていた頃に創作した落語家一流の即興舞踊とつたえられる。(正岡容『寄席行燈』)[2]
- これは要するに、業者との間でつるんで、架空取引なんかを指示して業者にお金を預けていたと、必要な都度その中から消化をしていったということであります。 (松野信夫、参議院会議録情報 第177回国会 決算委員会 第5号)〔2011年〕
「連む」は語義1から派生したできた用法なので、他人の行動に対してこの言葉を用いることは本来失礼にあたる。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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否定 |
つるまない |
未然形 + ない
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意志・勧誘 |
つるもう |
未然形音便 + う
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丁寧 |
つるみます |
連用形 + ます
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過去・完了・状態 |
つるんだ |
連用形音便 + だ
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言い切り |
つるむ |
終止形のみ
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名詞化 |
つるむこと |
連体形 + こと
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仮定条件 |
つるめば |
仮定形 + ば
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命令 |
つるめ |
命令形のみ
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「つるぶ」の転