日本語 編集

発音 編集

動詞 編集

もがく踠く藻掻く

  1. (自動詞, 他動詞) 苦しかったり、拘束振りほどこうとして、手足ばたばたさせる。
    • さいしょ、これらの虫がとんできて、目に見えない細い糸に足をとらえられると、逃げようとしてもがきます。(小川未明「はちの巣」)[1]
    • 老人は苦しそうに身をもがいて、何か囈言のようなことを云いつづけていたが、朝になってぽっくりと死んでしまった。(田中貢太郎「位牌田」)[2]
  2. (自動詞) 苦境逃れようとして焦る
    • 大川が疲労を見せ始めた頃、米倉は堂々と躍進し始めた。そうして大川があせりにあせってもがきはじめた頃、米倉は完全に文壇の一角を占領した。(浜尾四郎「黄昏の告白」)〔1929年〕[3]
    • これまでの作品に描かれた下町、池の端、日本橋それらはどれも、そこにくりひろげられている発展のない小市民の環境とその中から脱出しようともがく若い女性の苦悩の場面として、捉えられていた。(宮本百合子「婦人と文学」)〔1947年〕[4]

活用 編集

類義語 編集


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  1. 青空文庫(2015年5月24日作成)(底本:「定本小川未明童話全集 10」講談社、1983年1月19日第6刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001475/files/52101_56982.html 2019年9月23日参照。
  2. 青空文庫(2010年10月20日作成)(底本:「伝奇ノ匣6 田中貢太郎日本怪談事典」学研M文庫、学習研究社、2003年10月22日初版)https://www.aozora.gr.jp/cards/000154/files/45549_41054.html 2019年9月23日参照。
  3. 青空文庫(2007年9月9日作成)(底本:「新青年傑作選第一巻(新装版)」立風書房、1991年6月10日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000289/files/46613_27999.html 2019年8月11日参照。
  4. 青空文庫(2003年2月13日作成)(底本:「宮本百合子全集 第十二巻」新日本出版社、1986年3月20日第4刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/2927_9212.html 2019年8月11日参照。