日本語 編集

名詞 編集

(けいもう)

  1. 蒙昧な状態を啓発すること。教育を施して良い方向へ導くこと。
  2. 人々に教えて広めること。

類義語 編集

複合語 編集

翻訳 編集

動詞 編集

する (けいもうする)

  1. (他動詞) 〔人に〕正しい考え方や知識を教え、良い方向へ導く。
    • 1927年、平林初之輔「文学の本質について(一)」[1]
      単に読者をたのしませるだけでなくて、読者の心に何物かを与へ、それによつて読者を啓蒙し、人類社会の改善に貢献するところあらしめようと意欲するに至るのも、これ亦、至極当然の径路である。
    • 1981年、西田八郎、第94回国会衆議院[2]
      私はそういう意味で、冒頭に申し上げましたように、日本の社会はそうした障害者と老人を締め出す社会になっておると思うのですね。だから、そういう点について、ただ行事を計画するだけでなしに、具体的にどういう方向で国民の意識を啓蒙していかれるのか、そのような点について総務長官から伺いたい。
  2. (他動詞) 〔正しい考え方や知識を〕人々に教えて広める。
    • 1932年、宮本百合子「一九三二年の春」[3]
      日本プロレタリア文化連盟は文化活動を通じて常に正々堂々と日本の勤労大衆が現在経験しつつある政治的経験の深刻な階級的意味を啓蒙し、専制と恐慌、帝国主義戦争の重圧からの抜道はプロレタリアにとって何処にあるかということを明らかにして来ている。
    • 1968年、村上孝太郎、第58回国会参議院[4]
      それが有害な食料品を防止するためには、一つには、やっぱり先生のおっしゃるような生化学的な知識を啓蒙して、生活の知恵を持つということも必要ですけれども、他方に衛生監視員の数もしっかり整備するということだと思うのであります。

活用 編集

啓蒙-する 動詞活用表日本語の活用
サ行変格活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
啓蒙

する する すれ せよ
しろ
各活用形の基礎的な結合例
意味 語形 結合
否定 啓蒙しない 未然形 + ない
否定 啓蒙せず 未然形 +
自発・受身
可能・尊敬
啓蒙される 未然形 + れる
丁寧 啓蒙します 連用形 + ます
過去・完了・状態 啓蒙した 連用形 +
言い切り 啓蒙する 終止形のみ
名詞化 啓蒙すること 連体形 + こと
仮定条件 啓蒙すれば 仮定形 +
命令 啓蒙せよ
啓蒙しろ
命令形のみ

翻訳 編集

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  1. 青空文庫(2004年3月22日作成)(底本:「平林初之輔文藝評論全集 上巻」文泉堂書店、1975(昭和50)年5月1日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000221/files/2603_15344.html
  2. 「第94回国会 衆議院 予算委員会 第18号 昭和56年2月26日」国会会議録検索システム https://kokkai.ndl.go.jp/txt/109405261X01819810226/257 2021年10月29日参照。
  3. 青空文庫(2002年4月22日作成)(底本:「宮本百合子全集 第四巻」新日本出版社、1986(昭和61)年3月20日第5刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/1984_6518.html
  4. 「第58回国会 参議院 予算委員会 第17号 昭和43年4月9日」国会会議録検索システム https://kokkai.ndl.go.jp/txt/105815261X01719680409/73 2021年10月29日参照。