察する (さっする)
- (他動詞) 〔何かの事実を〕推察して理解する。
- 1937年、宮本百合子「映画の恋愛」[1]
- こういう映画が外国でも人々の涙を誘うのであって見れば、そこでも女の生活は、恋愛の面においてもいろいろの苦しいものを持っていることが察せられる。
- 1939年、岡本かの子「鮨」[2]
- 新らしい福ずしの主人は、もともと東京で屈指の鮨店で腕を仕込んだ職人だけに、周囲の状況を察して、鮨の品質を上げて行くに造作もなかった。
- (他動詞) 〔人の気持ちを〕推測して配慮する。推測して同情する。
- 1910年、近松秋江「雪の日」[3]
- 少し心持が悪いからと言うと、姉もそれを察して、『じゃ少し横になって休んだらいいだろう』と言って枕を出したりなどしてくれました
- 1920年、柳宗悦「朝鮮の友に贈る書」[4]
- 貴方がたの心持ちや寂しさを察する時、人知れぬ涙が私の眼ににじんでくる。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | 察しない | 未然形 + ない |
否定(古風) | 察せず | 未然形 + ず |
自発・受身 可能・尊敬 | 察せられる | 未然形 + られる |
丁寧 | 察します | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | 察した | 連用形 + た |
言い切り | 察する | 終止形のみ |
名詞化 | 察すること | 連体形 + こと |
仮定条件 | 察すれば | 仮定形 + ば |
命令 | 察しろ 察せよ | 命令形のみ |