日本語

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動詞

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する (さっする)

  1. (他動詞) 〔何かの事実を〕推察して理解する。
    • 1937年、宮本百合子「映画の恋愛」[1]
      こういう映画が外国でも人々の涙を誘うのであって見れば、そこでも女の生活は、恋愛の面においてもいろいろの苦しいものを持っていることが察せられる。
    • 1939年、岡本かの子「鮨」[2]
      新らしい福ずしの主人は、もともと東京で屈指の鮨店で腕を仕込んだ職人だけに、周囲の状況を察して、鮨の品質を上げて行くに造作もなかった。
  2. (他動詞) 〔人の気持ちを〕推測して配慮する。推測して同情する。
    • 1910年、近松秋江「雪の日」[3]
      少し心持が悪いからと言うと、姉もそれを察して、『じゃ少し横になって休んだらいいだろう』と言って枕を出したりなどしてくれました
    • 1920年、柳宗悦「朝鮮の友に贈る書」[4]
      貴方がたの心持ちや寂しさを察する時、人知れぬ涙が私の眼ににじんでくる。

活用

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  1. 青空文庫(2003年5月26日作成)(底本:「宮本百合子全集 第十四巻」新日本出版社、1986(昭和61)年3月20日第5刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/3095_10673.html
  2. 青空文庫(1999年3月8日公開、2013年4月26日修正)(底本:「岡本かの子全集5」ちくま文庫、筑摩書房、1993(平成5)年8月24日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000076/files/1016_19596.html
  3. 青空文庫(2013年5月4日作成)(底本:「日本文学全集14 近松秋江集」集英社、1969(昭和44)年2月12日初版)https://www.aozora.gr.jp/cards/000275/files/53038_50672.html
  4. 青空文庫(2013年1月21日作成)(底本:「民藝四十年」岩波書店、2009(平成21)年9月4日第28刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001520/files/55377_48458.html