帯する

日本語

発音

• (東京式) たいす​る [tàísúꜜrù] (中高型 – [3])
• IPA^(?): [ta̠isɨᵝɾɯ̟ᵝ]

動詞

帯する (たいする)

1. (他動詞) 〔武具を、特に刀を〕身に付ける。
   • 1907年、大隈重信「明治文明史上に於ける福沢翁」

     ところがその圧迫が来れば来るほど百倍して勇気を揮い起す。無論申すまでもなく、古い写真がこの塾には残っているに相違ない。丁髷を結って大小を帯して真に不様な風をしている。

   • 1931年、谷崎潤一郎「武州公秘話」

     もし甲冑を帯していなかったら、今少し体つきの工合なども分るのであろうが、惜しい哉此の服装ではたゞ顔だけしか見ることが出来ない。

   • 1934年、林不忘「丹下左膳」

     武器を持っていないのが、一期の不覚だった。刀を帯しているのは、結城左京ほか、二、三人だけ。

2. (他動詞) 〔上位者の命令や高い身分といった権力や権威を帯びたものを〕有する。
   • 1922年、喜田貞吉「奥州における御館藤原氏」

     平家、西海に没落した後に至っても、彼は義仲とともに頼朝を夾撃すべきの院宣をまで帯しているのである。これに向う頼朝は勢い朝敵の地位に立たなければならんのである。

   • 1928年、国枝史郎「血ぬられた懐刀」

     「目下伏見から幸蔵主殿が、太閤殿下のお旨を帯して、聚楽にご滞在なされて居られる。この際そのような振舞いをして、よろしいものでござろうかな？」

   • 1939年、本庄陸男「石狩川」

     しかし、そう云うけれど、あの人は傑いにちがいない、何故なら、彼はかくかくの位階勲等を帯している、と。おこぼれを頂戴したその成りあがりものはそう自己弁護するのだ。

活用

帯（たい）-する 動詞活用表（日本語の活用）

サ行変格活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
帯（たい）	し せ さ	し	する	する	すれ	せよ しろ

各活用形の基礎的な結合例

意味	語形	結合
否定	帯（たい）しない	未然形 + ない
否定	帯（たい）せず	未然形 + ず
自発・受身 可能・尊敬	帯（たい）される	未然形 + れる
丁寧	帯（たい）します	連用形 + ます
過去・完了・状態	帯（たい）した	連用形 + た
言い切り	帯（たい）する	終止形のみ
名詞化	帯（たい）すること	連体形 + こと
仮定条件	帯（たい）すれば	仮定形 + ば
命令	帯（たい）せよ 帯（たい）しろ	命令形のみ