大槻文彦編『大言海』の序文「本書編纂に当りて」で、中国語における表現方法として「不用の語を附帯せしめて用ゐること」として紹介されたことが由来とされる[1]。中国語には同音の漢字が多いため、耳で聞いても区別できるように、不要な字を付け加えたと考えられる。
帯説 (たいせつ)
- 反対の、または対をなす意味の漢字で構成される二字熟語で、一方の字の意味が熟語全体の意味に反映されていない熟語。
熟語全体としての意味に関係しないと思われる字を太字で示す。
- 「異同」、「難易度」の「難易」、「恩讐の彼方」の「恩讐」、「存亡の危機」[2]の「存亡」など。
また、『大言海』の序文では以下のような事例も紹介されている。
- ↑ ただし、「職原抄私記 一」〔1648年〕における「鋳改鏡剣鏡をこそ鋳んに、剣を不可鋳。併如此の文法を帯説と云也」という用例が後に発見され、『精選版 日本国語大辞典』における新たな用例の一つとして追加された。
- ↑ この用法を誤りとみる向きもある。
- ↑ 鳥の羽が赤いことを「翡」、青いことを「翠」というが、「翡翠」全体では緑色しか意味しない。