反対(はんたい)
- 対になるものの一方。対義的なもの。
- あるものに対して位置や向き、順序、ありかた、言動などが逆の関係にあること。対称的、また対照的であること。
- 目のほうは前面に二つ並んでほぼ同じ方向を向いているのに耳のほうは両側にあって、だいたいにおいて反対の方向に向いている。(寺田寅彦 『耳と目』)
- 自分が口を極めて言うことは、とかく世間とは反対になる。(北大路魯山人 『魂を刳る美』)
- 清太郎は雪さんとは反対にNさんに世話を焼かせたことはない。(芥川龍之介 『春の夜』)
- 予想や意図と逆の結果になること。
- 否、丘の裾に添つたやうな道をぐるぐると廻るやうに、行つても行つてもその岸には出ずに、却つて反対に松の木の疎らに生えた丘の上へと出て行くのを見るであらう。(田山録弥 『赤い鳥居』)
- ある命題に対して否定を主張すること。提案などに否定的な意思表示をすること。
- 債務の弁済は、第三者もすることができる。ただし、その債務の性質がこれを許さないとき、又は当事者が反対の意思を表示したときは、この限りでない。(民法第474条)
- 余は以上の如く根本において文芸院の設置に反対を唱うるものであるが、もし保護金の使用法について、幸いにも文芸委員がこの公平なる手段を講ずるならば、その局部に対しては大に賛成の意を表するに吝かならざるつもりである。(夏目漱石『文芸委員は何をするか』)
語義1
語義2
語義2
語義1
語義2
- 運動の方向が逆転する、逆方向に作用する。
- たとえば東京で夏の夕方風がなげば、それは南がかった風の反対するような気圧傾度が正常の傾度に干渉している、すなわち太平洋のほうの気圧が比較的低下した、と考えていい場合が多いだろうと思われる。(寺田寅彦 『海陸風と夕なぎ』)
- ある命題に対して否定を主張する。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
|
否定 |
反対しない |
未然形 + ない
|
否定(古風) |
反対せず |
未然形 + ず
|
自発・受身 可能・尊敬 |
反対される |
未然形 + れる
|
丁寧 |
反対します |
連用形 + ます
|
過去・完了・状態 |
反対した |
連用形 + た
|
言い切り |
反対する |
終止形のみ
|
名詞化 |
反対すること |
連体形 + こと
|
仮定条件 |
反対すれば |
仮定形 + ば
|
命令 |
反対しろ 反対せよ |
命令形のみ
|
語義2