敵する (てきする)
- (自動詞, 文章語) 対抗する。敵として対立する。
- 1919年、大隈重信「永久平和の先決問題」[1]
- 一個人としては強き資本家階級も、下層民の集合の勢力に敵し兼ねて、自己の運命を彼等の掌中に委ねなければならなくなる。
- 1938年、矢内原忠雄「帝大聖書研究会終講の辞」[2]
- 神の審判は世界全国民の上にある。その審判の内容は神に敵するものには刑罰、神を信ずる者には恩恵である。
- (自動詞, 文章語) 匹敵する。
- 1938年、與謝野晶子訳、紫式部「源氏物語」[3]
- 太政大臣は私の相手で勝負をよく争われたものだが、蹴鞠の技術だけはとうてい自分が敵することのできぬ巧さがおありになった。
- 1954年、坂口安吾「女剣士」[4]
- 法神は元来金沢の人であるが、諸国の山野を跋渉して妙剣を自得し、立会えば敵する者なく、又オランダ医学にも通じ、神人と嘆称された稀代の人物であったが、晩年この山中に土着し剣を伝えて余生を終えた。
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 |
敵しない |
未然形 + ない |
否定 |
敵せず |
未然形 + ず |
自発・受身 可能・尊敬 |
敵される |
未然形 + れる |
丁寧 |
敵します |
連用形 + ます |
過去・完了・状態 |
敵した |
連用形 + た |
言い切り |
敵する |
終止形のみ |
名詞化 |
敵すること |
連体形 + こと |
仮定条件 |
敵すれば |
仮定形 + ば |
命令 |
敵せよ 敵しろ |
命令形のみ |