日本語

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動詞

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じる (せんじる)

  1. (他動詞) 生薬を〕水などの液体に入れ、よくて、成分を液体中にしみ出させる
    • 1899年、泉鏡花「湯島詣」[1]
      三人の紅茶を一個々々硝子杯に煎じ出した時、柳沢時一郎はそのすっきりと脊の高い、緊った制服の姿を籐の椅子の大きなのに、無造作に落していった。
    • 1925年、岡本綺堂「利根の渡」[2]
      「毎日吹くので困るよ。」と、平助は炉の火で病人の薬を煎じながら言った。
    • 1942年、中島敦「南島譚」[3]
      絶えず空咳をし、疲れる。アミアカ樹の芽をすり潰して其の汁を飲んでも、蛸樹の根を煎じて飲んでも、一向に効き目が無い。

派生語

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活用

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せん-じる 動詞活用表日本語の活用
ザ行上一段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
せん じる じる じれ じよ
じろ
各活用形の基礎的な結合例
意味 語形 結合
否定 せんじない 未然形 + ない
意志・勧誘 せんじよう 未然形 + よう
丁寧 せんじます 連用形 + ます
過去・完了・状態 せんじた 連用形 +
言い切り せんじる 終止形のみ
名詞化 せんじること 連体形 + こと
仮定条件 せんじれば 仮定形 +
命令 せんじよ
せんじろ
命令形のみ
  1. 青空文庫、2018年10月24日作成(底本:「泉鏡花集成3」ちくま文庫、筑摩書房、1996(平成8)年1月24日第1刷発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000050/files/48399_66308.html
  2. 青空文庫、2002年3月25日公開、2014年6月9日修正(底本:「影を踏まれた女 岡本綺堂怪談集」光文社時代小説文庫、光文社、1988(昭和63)年10月20日初版第1刷発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000082/files/1307_20001.html
  3. 青空文庫、1999年8月6日公開、2014年8月2日修正(底本:「中島敦全集2」ちくま文庫、筑摩書房、1993(平成5)年3月24日第1刷発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000119/files/619_14531.html