日本語 編集

動詞 編集

する (かんする)

  1. (他動詞)を〕飲む前に適度温める
    • 1925年、国枝史郎「善悪両面鼠小僧」[1]
      […]小袖幕で囲い設けた立派な観桜席が出来ていて、赤毛氈に重詰の数々、華やかな茵、蒔絵の曲禄、酒を燗する場所もあり、女中若侍美々しく装い、お待ち受けして居た所から、ワッと一時に陽気になった。
    • 1935年、種田山頭火「其中日記」[2]
      うれしいたより、井師から麻布の佃煮を頂戴した、さつそく昨夜の酒を燗して、雪見酒といふ贅沢さ、酒もうまかつたが、佃煮はとてもおいしかつた。

活用 編集

燗-する 動詞活用表日本語の活用
サ行変格活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形


する する すれ せよ
しろ
各活用形の基礎的な結合例
意味 語形 結合
否定 燗しない 未然形 + ない
否定 燗せず 未然形 +
自発・受身
可能・尊敬
燗される 未然形 + れる
丁寧 燗します 連用形 + ます
過去・完了・状態 燗した 連用形 +
言い切り 燗する 終止形のみ
名詞化 燗すること 連体形 + こと
仮定条件 燗すれば 仮定形 +
命令 燗せよ
燗しろ
命令形のみ

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  1. 青空文庫、2005年9月10日作成(底本:「国枝史郎伝奇全集 巻六」未知谷 、1993(平成5)年9月30日初版発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000255/files/43771_19490.html
  2. 青空文庫、2009年9月9日作成(底本:「山頭火全集 第六巻」春陽堂書店、1987(昭和62)年1月25日第1刷発行。山頭火全集 第七巻」春陽堂書店、1987(昭和62)年5月25日第1刷発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000146/files/49148_36738.html