皮 肉(ひにく)
- 皮と肉、身体・肉体のこと。
- 鋭く骨身にこたえるような非難。特に遠回しで意地の悪い非難。特に、事実や意図する主張と逆の事象を述べ、そうではないことに非難の意等を込める言辞、逆説。あてこすり。いやみ。
- うわべだけのさま。皮相。
- (哲学、修辞学)表面的な立ち居振る舞いによって本質を隠すこと、無知の状態を演じること。イロニー、アイロニー。
語義
皮 肉(ひにく)
- 意地が悪い。
- ラヂオといふものを、大変ふしぎなもの、肉声がそのまま伝つてくるものと思つてゐた私は、この不自然な器械的の音声を、どうしてもラヂオとは思へなかつた。それにへんな形をしたラツパといふのも、蓄音機の電気拡声器として、以前から使はれてゐたものである。「蓄音機だな?」さう言つて私が連れの方を顧みた時、側にゐた四五人の男女が、いつせいに私を見つめた。その視線には、明らかに「田舎者め!」といふ皮肉な冷笑が浮んでゐた。(萩原朔太郎 『ラヂオ漫談』)
- 逆説的であること。
- 逆に却つて人々は、星占学の辻占から、未来の漠然たる幸福――幸福があるだらうといふ運命の予約――を期待して居る。そしてまた(皮肉なことには)いやしくも易者を訪ふほどのすべての人は、過去にも現在にも不運であり、それ故にまた将来の幸運さへも、概して予想できないところの人々である。(萩原朔太郎 『易者の哲理』)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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推量・意志 |
皮肉だろう |
未然形 + う
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過去・完了 |
皮肉だった |
連用形 + た
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否定形 |
皮肉でない |
連用形 + ない
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自動詞化 |
皮肉になる |
連用形 + なる
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言い切り |
皮肉だ |
終止形のみ
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名詞化 |
皮肉なこと |
連体形 + こと
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仮定条件 |
皮肉ならば |
仮定形 + ば
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様態 |
皮肉そうだ |
語幹 + そうだ
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語義1
語義2
- ピンイン: píròu
- 注音符号: ㄆㄧˊ ㄖㄡˋ
- 広東語
- イェール式: pei4yuk6
- 粤拼: pei4juk6
- 閩南語: phôe-bah, phê-bah
- 客家語: phì-ngiuk
皮 肉
- 皮と肉、身体・肉体。