科する

日本語

動詞

科する (かする)

1. (他動詞, 文章語) 罰またはそれに類するものを与える。
   • 1931年、江戸川乱歩「白髪鬼」

     さて、その翌日、わしは愈々上海をあとにして、故郷のＳ市へと出発した。上海滞在の一ヶ月半に、練りに練った復讐計画によって、憎むべき姦夫姦婦の上に世にも恐しき地獄の刑罰を科する為に。

   • 1959年、山本周五郎「ちくしょう谷」

     同時に、信温に荷担した老臣二人と重職三人には、切腹、追放、重謹慎などの罪が科されたが、中にはそれを不服として、「幕府老中へ訴える」などと云う者があり、それははたされなかったけれども、家中にはかなりのちまで、不穏な空気が残っていた。

活用

活用と結合例

科-する 動詞活用表（日本語の活用）

サ行変格活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
科	し せ さ	し	する	する	すれ	しろ せよ

各活用形の基礎的な結合例

意味	語形	結合
否定	科しない	未然形 + ない
否定(古風)	科せず	未然形 + ず
自発・受身 可能・尊敬	科される	未然形 + れる
丁寧	科します	連用形 + ます
過去・完了・状態	科した	連用形 + た
言い切り	科する	終止形のみ
名詞化	科すること	連体形 + こと
仮定条件	科すれば	仮定形 + ば
命令	科しろ 科せよ	命令形のみ

関連語

• （五段活用型）科す