日本語 編集

語源 編集

中国俗語を由来とする。

名詞 編集

(たんてき)

  1. 本質真実真理
    • 僕達青年も刹那主義や自然主義に人生の端的を教わりながら、実はその一方に、人生の永遠性を求めて止まないんだ。(岡本かの子『兄妹』)〔1936年〕[1]
    • 「(...)この賽粒の表に運否天賦という神様が乗移り、その運否天賦の呼吸で黒白の端的が現われる」(中里介山『大菩薩峠』)〔1913年-1941年〕[2]

形容動詞 編集

(たんてき)

  1. あからさまありのままに、核心示しているさま。手短に要点とらえるさま。
    • この間ある人がきて個人展に関する話をしましたが、ことにこの個人展などの作品は、その人が端的にそこに現われているのがいいと思います。(上村松園『双語』)〔1934年〕[3]
    • 分らないことは分らないと端的に表現し追求することで、人生に積極な何かをもたらす芸術の健全なみのりがあるだろうか。(宮本百合子『今日の作家と読者』)〔1941年〕[4]
    • それを立証する最も端的な証拠は、予算縮減の際には真先に調査研究費が削られ、また機構改革の場合にも調査系統が真先に槍玉にあげられることであろう。(中井正一『調査機関』)〔1952年〕[5]
  2. 瞬間的顕現実現するさま。
    • そして第二の念願は、死ぬる時は端的に死にたい。俗にいう『コロリ往生』を遂げることである。(種田山頭火『私を語る』)〔1931年〕[6]
    • 武力が戦争で最も重要な地位を占むる事は自然であり、武力で端的に勝敗を決するのが戦争の理想的状態である。(石原莞爾『戦争史大観』)〔1941年〕[7]

活用 編集

類義語 編集


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  1. 青空文庫(2008年10月15日作成)(底本:「岡本かの子全集2」ちくま文庫、筑摩書房、1994年2月24日第1刷)http://www.aozora.gr.jp/cards/000076/files/46925_33266.html 2018年3月11日参照。
  2. 青空文庫(2004年5月20日作成)(底本:「大菩薩峠20」ちくま文庫、筑摩書房、2002年2月20日第2刷)http://www.aozora.gr.jp/cards/000283/files/4512_15691.html 2018年3月11日参照。
  3. 青空文庫(2008年7月30日作成)(底本:「青眉抄・青眉抄拾遺」講談社、1977年5月31日第2刷)http://www.aozora.gr.jp/cards/000355/files/47325_32283.html 2018年3月11日参照。
  4. 青空文庫(2003年2月13日作成)(底本:「宮本百合子全集 第十二巻」新日本出版社、1986年3月20日第4刷)http://www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/2911_9180.html 2018年3月11日参照。
  5. 青空文庫(2005年3月25日作成)(底本:「中井正一評論集」岩波文庫、岩波書店、1995年6月16日第1刷)http://www.aozora.gr.jp/cards/001166/files/43711_18210.html 2018年3月11日参照。
  6. 青空文庫(2008年5月19日作成)(底本:「山頭火随筆集」講談社文芸文庫、講談社、2007年2月5日第9刷)http://www.aozora.gr.jp/cards/000146/files/48267_31582.html 2018年3月11日参照。
  7. 青空文庫(2001年8月29日公開、2012年10月1日修正)(底本:「最終戦争論・戦争史大観」中公文庫、中央公論社、1995年6月10日5版)http://www.aozora.gr.jp/cards/000230/files/55635_49037.html 2018年3月11日参照。