日本語

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動詞

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する (きする)

  1. (他動詞, 文章語) 書き記す
    • 1892年、北村透谷「「歌念仏」を読みて」[1]
      「ロメオ・アンド・ジユリヱット」の著者は、何が故にロメオが欝樹叢中に彷徨したりしやを記せず。
    • 1954年、坂口安吾「心霊殺人事件」[2]
      次に各人の証言のうち主なるものを記する前に、当夜の各人の位置について図解を示しておくことにする。
  2. (他動詞, 文章語) おぼえている。記憶している。
    • 1941年、大鹿卓「渡良瀬川」[3]
      拝啓仕度。不幸の事件につき志士の運動は誠にその真相を脳裡に記するにあり、もし此の事を怠り候事忽ち奢侈に流れ神心放蕩に流れ、事件と相伴わざるの言動を生ぜんと奉存候。

発音(?)

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き↗す↘る

活用

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-する 動詞活用表日本語の活用
サ行変格活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形


する する すれ せよ
しろ
各活用形の基礎的な結合例
意味 語形 結合
否定 しない 未然形 + ない
否定 せず 未然形 +
自発・受身
可能・尊敬
される 未然形 + れる
丁寧 します 連用形 + ます
過去・完了・状態 した 連用形 +
言い切り する 終止形のみ
名詞化 すること 連体形 + こと
仮定条件 すれば 仮定形 +
命令 せよ
しろ
命令形のみ
  1. 青空文庫(2008年1月19日作成、底本:「現代日本文學大系 6 北村透谷・山路愛山集」筑摩書房、1985(昭和60)年11月10日初版第15刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000157/files/46581_29499.html
  2. 青空文庫(2010年2月5日作成、底本:「坂口安吾全集 15」筑摩書房、1999(平成11)年10月20日初版第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/43247_38173.html
  3. 青空文庫(2016年7月19日作成、底本:「渡良瀬川」新泉社、1972(昭和47)年7月1日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001476/files/51155_59739.html