日本語 編集

動詞 編集

する (とする)

  1. (他動詞) 目的を果たすための代償として、自分にとって何か大事なものを、それが損なったり駄目になったりする無視できない大きな可能性にさらす。懸(賭)ける
    • 1936年、大倉燁子「鳩つかひ」[1]
      「癪に触るじゃありませんか、この漫画――」と云って、投げた新聞を拾って漫画のところを示しながら、「吾々が生命を賭して戦っているのを、世間はちっとも汲んでくれないんだ」
    • 1940年、佐藤垢石「春宵因縁談」[2]
      この選挙は、大隈内閣の運命を賭するものであったから、火花が巷に散った。
    • 1941年、山本周五郎「死處」[3]
      にわかにみんな口をつぐんだ、主家の運命を賭する一戦、いまこそ武士の死すべきときである、この戦におくれたらもののふの名はすたるのだ。

活用 編集

賭-する 動詞活用表日本語の活用
サ行変格活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形


する する すれ せよ
しろ
各活用形の基礎的な結合例
意味 語形 結合
否定 賭しない 未然形 + ない
否定 賭せず 未然形 +
自発・受身
可能・尊敬
賭される 未然形 + れる
丁寧 賭します 連用形 + ます
過去・完了・状態 賭した 連用形 +
言い切り 賭する 終止形のみ
名詞化 賭すること 連体形 + こと
仮定条件 賭すれば 仮定形 +
命令 賭せよ
賭しろ
命令形のみ

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  1. 青空文庫(2012年11月1日作成。底本:「大倉燁子探偵小説選」論創社、2011(平成23)年4月20日初版第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001669/files/54473_49242.html
  2. 青空文庫(2007年4月2日作成。底本:「完本 たぬき汁」つり人ノベルズ、つり人社、1993(平成5)年2月10日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001248/files/46807_26523.html
  3. 青空文庫(2021年4月28日作成。底本:「戦国武士道物語 死處」講談社文庫、講談社、2018(平成30)年8月6日第3刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001869/files/59470_73227.html