あけっぴろげ【開けっ広げ・明けっ広げ】
- 自分の気持ちや考えを隠さずに振舞うさま。
- 1927年、渡辺温「嘘」[1]
- その途端にオレンジ色の娘はクルリとお河童の頭だけを廻して井深君を見た。そしてあけっぴろげな笑顔でニッコリ笑ったものである。
- 1929年、渡辺温「浪漫趣味者として」[2]
- そして、ロマンティストは、何時もすべっこく髭を剃り立ての頤を光らせていたり、伊達色の当世風に身についた新調の衣服を着たり、香水の匂いをさせたりしないことや、また道を歩きながら余り明けっぴろげに娘たちばかりを眺めたりしてはならないことを教えてくれた。
- 1963年、山本周五郎「さぶ」[3]
- いかにも赤鬼という仇名にふさわしく、栄二は「こいつは案外お人好しだな」と思いながら、彼の見ている前で仰向けに倒れ、両手を頭のうしろで組んで、あけっぴろげに大欠伸をした
- (窓や扉が)広く開いたままであるさま。
- 1935年、米川正夫訳、フョードル・ミハイロヴィッチ・ドストエフスキー「罪と罰」[4]
- 彼はこれをすっかり方々のポケットへ入れた。外套のポケットと、残ったズボンの右ポケットへ、なるべく目立たないようにと苦心しながら納めてしまった。財布もやはり一緒に取出した。それから部屋を出たが、今度はすっかりあけっぴろげにして置いた。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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推量・意志 |
あけっぴろげだろう |
未然形 + う
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過去・完了 |
あけっぴろげだった |
連用形 + た
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否定形 |
あけっぴろげでない |
連用形 + ない
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自動詞化 |
あけっぴろげになる |
連用形 + なる
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言い切り |
あけっぴろげだ |
終止形のみ
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名詞化 |
あけっぴろげなこと |
連体形 + こと
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仮定条件 |
あけっぴろげならば |
仮定形 + ば
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様態 |
あけっぴろげそうだ |
語幹 + そうだ
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