ぐずぐず【当て字 愚図愚図】
- (ときに「と」を後置して)
- 判断などの遅い様子。
- だが、余り古い時代のことを、此処でぐずぐずと述べるのも本講座の目的では無いと思うから、私は、本講座に必要な限りに於て、ずっと近代に接近している江戸時代の通俗的読物の類から考察を進めよう。(直木三十五 『大衆文芸作法』)
- 不満を持って、物事を進めない様。
- 私は、修学旅行の仲間入りのできないことを、友達にも顔向けのできないほど、恥かしいことだと思い詰めていたものですから、一晩中でも泣き明かすような決心で、父の枕元で、いつまでもぐずぐず駄々をこねていました。(菊池寛 『勝負事』)
- 判断などが遅く、無駄に時間を費やし物事を進めない。
- 落第して愚図愚図している内にこの学校が出来た。この学校が出来て最も新らしい所へいの一番に乗り込んだ者は私――だけではないが、その一人は確かに私である。(夏目漱石 『模倣と独立』)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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否定 |
ぐずぐずしない |
未然形 + ない
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否定(古風) |
ぐずぐずせず |
未然形 + ず
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自発・受身 可能・尊敬 |
ぐずぐずされる |
未然形 + れる
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丁寧 |
ぐずぐずします |
連用形 + ます
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過去・完了・状態 |
ぐずぐずした |
連用形 + た
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言い切り |
ぐずぐずする |
終止形のみ
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名詞化 |
ぐずぐずすること |
連体形 + こと
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仮定条件 |
ぐずぐずすれば |
仮定形 + ば
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命令 |
ぐずぐずしろ ぐずぐずせよ |
命令形のみ
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- 緩んだりして、崩れる様子。
- この逆さ屏風がさっきから気になっていたのですが、さていよいよ明けてみると、屏風のなかには一人の女がうしろ向きになって倒れているのです。長い髪は滅茶苦茶に散らばって、頭から肩のあたりに押っかぶさっていて、黒の帯はぐずぐずに解けかかっている。(岡本椅堂『子供役者の死』)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
|
推量・意志 |
ぐずぐずだろう |
未然形 + う
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過去・完了 |
ぐずぐずだった |
連用形 + た
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否定形 |
ぐずぐずでない |
連用形 + ない
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自動詞化 |
ぐずぐずになる |
連用形 + なる
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言い切り |
ぐずぐずだ |
終止形のみ
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名詞化 |
ぐずぐずなこと |
連体形 + こと
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仮定条件 |
ぐずぐずならば |
仮定形 + ば
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様態 |
ぐずぐずそうだ |
語幹 + そうだ
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