- 江戸後期から民衆の間で使用、文献的初出は式亭三馬の『浮世風呂』(文化6~10年 1809~13)中、「すてきに可愛がるからいい」の箇所。語源としては「すばらしい」+「的」であるとするのが有力。「素敵」、「素的」、「素適」いずれも当て字であり、うち、「素敵」の表現は大正期に発生し、昭和になってから定着する。「敵」の文字は「匹敵・敵(かな)わない」から用いられたものか。
- (東京式) すてき [s
ùtékí] (平板型 – [0])
- IPA(?): [sɨ̥ᵝte̞kʲi]
すてき【素敵・素的・素適】
- とても好ましい。魅力的。
- はなはだしい。並外れた。
- 薄暗い食堂の壁には、すてきに大きい床屋鏡がはめこまれていて、私の顔は黒眼がち、人なつかしげに、にこにこしていた。(太宰治 『狂言の神』)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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推量・意志 |
すてきだろう |
未然形 + う
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過去・完了 |
すてきだった |
連用形 + た
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否定形 |
すてきでない |
連用形 + ない
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自動詞化 |
すてきになる |
連用形 + なる
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言い切り |
すてきだ |
終止形のみ
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名詞化 |
すてきなこと |
連体形 + こと
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仮定条件 |
すてきならば |
仮定形 + ば
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様態 |
すてきそうだ |
語幹 + そうだ
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