生

漢字

生

部首: 生生 + 0 画
総画: 5画5

異体字 : 性, 棲（の代用字）, 玍, 甥, 𠤵, 𤯓
筆順 :
（日本の学校で教えている筆順）

^[1]

（中国における筆順）

字源

象形。若芽が地面から生え出るさまを象る。^{[字源 1]}「はえる」「うまれる」を意味する漢語｛生 /*sreŋ/｝を表す字。

甲骨文字	金文	小篆	流伝の古文字

殷	西周	《説文》（漢）	《六書通》（明）

↑ 季旭昇撰『説文新証』芸文印書館、2014年、506頁。
林志強等評注『《文源》評注』中国社会科学出版社、2017年、316頁。

意義

いのち。
- 生命、余生
（自動詞）いきる。
- 人生、生活、生態、生存、生物
（自動詞）うまれる。
- 誕生、出生、生地、生年
（自動詞）はえる。
- 植生、群生
（自動詞）おこる。
- 発生
（他動詞）うむ。おこす。
- 生銹、創生
純粋な。
- 生粋、生一本
新しい。
- 生傷
（食品などが火を通していない）なまの状態
- 生物。生煮え。
中途半端な
- 生兵法、生半可
勉強をしている人。あるいは、学校、塾などに通っている人。
- 生徒、学生、書生、塾生、優等生
勃起させる（古文でのみ使用）
- 生す（おや・す）^[2]
一人称（漢文でのみ使用）^[3]

（1 - 6）対義字：死、歿、滅
（3）類義字：誕

語源

シナ・チベット祖語 *siŋ^{[語源 1]} / *s-riŋ ~ *s-r(y)aŋ^{[語源 2]} （生きる、青い、生の）。
- ビルマ語 ရှင် （生きる）、ミゾ語 hríng （< クキ・チン祖語 *hriŋ 「産む、生きる」^{[語源 3]}）、ジンポー語 tsing （草）等と同根。^{[語源 4]}

↑ Axel Schuessler, ABC Etymological Dictionary of old chinese, University of Hawaii Press, 2006, p. 459.
↑ James Matisoff, Handbook of Proto-Tibeto-Burman University of California Press, 2003.
↑ Kenneth VanBik, Proto-Kuki-Chin: A reconstructed ancestor of the Kuki-Chin languages, University of California, Berkeley, 2009, p. 260, 262.
↑ Axel Schuessler, ABC Etymological Dictionary of old chinese, University of Hawaii Press, 2006, p. 459-460.

日本語

フリー百科事典ウィキペディアに「生」の記事があります。

教育漢字 (第1学年)

音	漢音: セイ表内呉音: ショウ表内[シヤウ] 唐音: サン (禅宗関係の語に用いることがある。作麼生（そもさん）、生飯（さんぱん→さば）)
訓	訓読み: い-きる表内[いく]、い-かす表内、い-ける表内[いく]、う-む表内、う-まれる表内[うまる]、は-える表内[はゆ]、は-やす表内、お-う表内[おふ]、なま表内、き表内、うぶ、む-す、な-す、な-る、いのち、あ-る古訓: うまは-る、あらは-る、おや-す、おひし-く名乗り: あい、あさ、あり、あれ、い、いか、いき、いく、いけ、う、うまい、うまる、うる、え、お、おい、おお、おき、おや、おゆ、きつ、ぎゅう、くるみ、ごせ、すぎ、すすむ、せ、そ、そう、たか、ちる、なじ、なせ、なば、なり、なる、にう、にゅう、ぬく、のう、のり、はえ、はさま、ばい、ふ、ふゆ、ぶ、み、む、もう、や、ゆ、よ、よい、よど、りゅう

名詞

生（せい）

（セイ）いのち、生命。
- 成句：生を受ける
（セイ）生まれること。（※接尾辞として、「Y年に生まれた」という風にも使用される。）
- 1980年生
- 対義語：歿

代名詞

生（せい）

(古用法) わたし。小生。
- 1898年、正岡子規「歌よみに与ふる書」^[4]
  貫之は下手な歌よみにて『古今集』はくだらぬ集に有之候。その貫之や『古今集』を崇拝するは誠に気の知れぬことなどと申すものの、実はかく申す生も数年前までは『古今集』崇拝の一人にて候ひしかば、今日世人が『古今集』を崇拝する気味合は能く存申候。

接尾辞

生（せい）

（セイ）筆名を構成する。
- 笑笑生^(wp)。T・K生。
(学校) 4拍や3拍に省略された学校名に付いて、その学校の生徒・学生を表す。
- 1947年、坂口安吾「大望をいだく河童」^[5]
  戦争中、神田の創元社へよく遊びにでかけたが、日大生に時々敬礼された。何先生が僕に似ているのか気にかかった。
- 1960年、外村繁「澪標」^[6]
  長男は北海道の大学へ行っている。毎月の送金を欠かすことはできない。二男は都大生である。三男と長女は高校生である。四男は中学生である。

派生語

生じる

熟語

生花（いけばな、せいか、しょうか）
生育（せいいく）
生家（せいか）
生活（せいかつ）
生還（せいかん）
生気（せいき）
生計（せいけい）
生後（せいご）
生彩（せいさい）
生殺与奪（せいさつよだつ）
生死（せいし、しょうじ）
生殖（せいしょく）
生新（せいしん）
生成（せいせい）
生鮮（せいせん）
生前（せいぜん）
生存（せいそん）
生体（せいたい）
生態（せいたい）
生長（せいちょう）
生徒（せいと）
生物（せいぶつ、なまもの）
生命（せいめい）
生涯（しょうがい）
生者必滅（しょうじゃひつめつ）
生住異滅（しょうじゅういめつ）
生来（しょうらい）
生老病死（しょうろうびょうし）
生身（なまみ）
老生
人生
書生
寄生
卵生
小生
学生
余生
優生
新生
茂生
出生
民生
一生
摂生
半生
女生
男生
先生
転生
密生
畜生
養生
写生
蒼生
野生
殺生
発生
派生
往生
院生
創生

中国語

生 *

ローマ字表記
- 普通話
  - ピンイン : shēng (sheng1)
  - ウェード式 : sheng¹
  - 注音符号 : ㄕㄥ
- 広東語
  - イェール式 : saang1, sang1
- 閩南語
  - POJ : seng
- 客家語
  - 白話字 : sâng
- 呉語
  - ピンイン : san1, sen1
- チワン語
  - ラテン文字 : seng (seng24)

動詞

産（う）む
生（う）まれる
生じる、発生する
熾（おこ）す
育（そだ）つ

形容詞

熟していない
生（なま）の
知（し）らない
慣（な）れていない
加工していない

対義語

熟

熟語

朝鮮語

生 *

ハングル: 생
音訓読み: 날・살 생
- 文化観光部2000年式: saeng
- マッキューン＝ライシャワー式: saeng
- イェール式: sayng

熟語: 朝鮮語

ベトナム語

生 *

ローマ字表記
- Quốc ngữ: sinh

文字情報

生	U+751F, 生 CJK 統合漢字-751F

← 甞
[U+751E]

CJK統合漢字

甠 →
[U+7520]

文字コード (文字集合規格)
-	Unicode: U+751F
日	JIS X 0213/0208: 1面32区24点 [第1水準] (`Shift_JIS=0x90B6`, `EUC-JP=0xC0B8`, `ISO-2022-JP=0x4038`) MJ文字図形: MJ017618
中	GB18030: `0xC9FA`
台	Big5: `0xA5CD` CNS 11643: 1面 `0x466D`
韓	KS X 1001: `0x5F66`

四角号碼: 2510₀
倉頡入力法: 竹手一 (HQM)

漢点字	六点漢字
⢷⠎	⠨⠻⠃

字典掲載
康熙字典	754ページ, 26文字目
諸橋大漢和辞典 (修訂第2版)	21670
新潮日本語漢字辞典 (2008)	7321
角川大字源 (1992)	6038
講談社新大字典 (1993)	10103
大漢語林 (1992)	7144
三星漢韓大辞典 (1988)	1162ページ, 4文字目
漢語大字典 (1986-1989)	4巻, 2575ページ, 1文字目

脚注

↑ 『大きな活字の楷行草筆順・字体字典』江守賢治　三省堂　1983年
↑
↑ 参考文献「新漢語林」
↑ 青空文庫、2004年8月10日作成（底本：「歌よみに与ふる書」岩波文庫、岩波書店、2002（平成14）年11月15日第26刷）https://www.aozora.gr.jp/cards/000305/files/2533_16281.html
↑ 青空文庫、2008年5月10日作成、2016年4月15日修正（底本：「坂口安吾全集　05」筑摩書房、1998（平成10）年6月20日初版第1刷）https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42870_31418.html
↑ 青空文庫、2013年10月15日作成（底本：「澪標・落日の光景」講談社文芸文庫、講談社、1992（平成4）年6月10日第1刷）https://www.aozora.gr.jp/cards/001499/files/51277_51584.html

[2] 季旭昇撰『説文新証』芸文印書館、2014年、506頁。
林志強等評注『《文源》評注』中国社会科学出版社、2017年、316頁。

[5] Axel Schuessler, ABC Etymological Dictionary of old chinese, University of Hawaii Press, 2006, p. 459.

[6] James Matisoff, Handbook of Proto-Tibeto-Burman University of California Press, 2003.

[7] Kenneth VanBik, Proto-Kuki-Chin: A reconstructed ancestor of the Kuki-Chin languages, University of California, Berkeley, 2009, p. 260, 262.

[8] Axel Schuessler, ABC Etymological Dictionary of old chinese, University of Hawaii Press, 2006, p. 459-460.

[1] 『大きな活字の楷行草筆順・字体字典』江守賢治　三省堂　1983年

[3] ↑

[4] 参考文献「新漢語林」

[9] 青空文庫、2004年8月10日作成（底本：「歌よみに与ふる書」岩波文庫、岩波書店、2002（平成14）年11月15日第26刷）https://www.aozora.gr.jp/cards/000305/files/2533_16281.html

[10] 青空文庫、2008年5月10日作成、2016年4月15日修正（底本：「坂口安吾全集　05」筑摩書房、1998（平成10）年6月20日初版第1刷）https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42870_31418.html

[11] 青空文庫、2013年10月15日作成（底本：「澪標・落日の光景」講談社文芸文庫、講談社、1992（平成4）年6月10日第1刷）https://www.aozora.gr.jp/cards/001499/files/51277_51584.html

[1]

[字源 1]

[2]

[3]

[語源 1]

[語源 2]

[語源 3]

[語源 4]

[4]

[5]

[6]

		精母	清母	從母	心母
一等	平声青韻	-	青鶄鯖蜻靘	-	星曐腥胜鮏鯹𥠀醒鉎篂猩惺
	上声迥韻	-	-		醒箵
	去声徑韻	-	靘掅（霰韻：蒨輤綪倩棈𧚫䑶篟）	-	腥醒睲
	入声錫韻		-	-
		莊母	初母	崇母	生母
二等	平声耕韻	綪		崝	-
	上声耿韻	-	-	-	-
	去声諍韻		-	-	-
	入声麥韻
		精母	清母	從母	心母
三等A	平声清韻	精菁鶄蜻鼱婧睛旌箐𩓨聙（青韻：鯖）	清圊	情晴請夝 
	上声靜韻	精	請睛	靜𩇕靖婧	省渻睲惺㮐𢜫
	去声勁韻		倩凊	㵾䝼靚請婧	性姓
	入声昔韻
		莊母	初母	崇母	生母
三等B	平声庚韻	-			生笙牲猩狌鉎甥䴤鼪珄
	上声梗韻	-	-	-	省眚㾪𡞞䚇𨵥㼳渻𨜜
	去声映韻	-	㵾	-	生鼪貹
	入声陌韻

生

目次

漢字

字源

関連字

意義

語源

日本語

教育漢字 (第1学年)

名詞

代名詞

接尾辞

派生語

熟語

中国語

動詞

形容詞

対義語

熟語

朝鮮語

熟語: 朝鮮語

ベトナム語

文字情報

脚注