古典日本語「つとむ」
- (東京式) つとめる [ts
ùtóméꜜrù] (中高型 – [3])
- IPA(?): [t͡sɨ̥ᵝto̞me̞ɾɯ̟ᵝ]
- (京阪式) つとめる
つとめる【努める・勉める・務める・勤める】
- 【努める、勉める】精を出して行う、骨を折って行う、励み行う。
- われわれは敢へて、古語・死語復活に努めてゐる者なることを明言して憚らない。(折口信夫 『古語復活論』)
- 心の立ち勝った妹を助手として持つと云う事は、何か一生の仕事を定めて、勉める姉の身としてどれほど心強いか分らない。(宮本百合子 『暁光』)
- 自然主義ということを、こっちでも言っていたが、あれはただつとめて自然に触接するように書くというだけの意義と見て好い。(森鴎外 『文芸の主義』)
- 【努める、勉める】無理をしてする、こらえてする、気が進まないながらも行う。
- あの人は無理に笑ってみせようと努めたようだが、ひくひく右の頬がひきつって、あの人の特徴ある犬歯がにゅっと出ただけのことである。(太宰治 『女の決闘』)
- (古用法) 慎む、自愛する、自重する。
- 【務める】ある人のためにつくす。
- 【務める】役目を行う、役目に当たる。
- 私の友達のBは、今或る望遠鏡製作会社の検査係りといふ役目を務めてゐます。(牧野信一 『雑談抄』)
- 【務める】服役する。
- 【勤める】仕える、奉公する、勤務する。
- そのころわたくしは、モリーオ市の博物局に勤めて居りました。(宮沢賢治 『ポラーノの広場』)
- 【勤める】仏道に励む。勤行する。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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否定 |
つとめない |
未然形 + ない
|
意志・勧誘 |
つとめよう |
未然形 + よう
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丁寧 |
つとめます |
連用形 + ます
|
過去・完了・状態 |
つとめた |
連用形 + た
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言い切り |
つとめる |
終止形のみ
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名詞化 |
つとめること |
連体形 + こと
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仮定条件 |
つとめれば |
仮定形 + ば
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命令 |
つとめろ つとめよ |
命令形のみ
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