まにあう【間に合う】 (歴史的仮名遣い まにあふ)
- 時間に遅れずに着く。時間に遅れずに達成する。
- メロスは跳ね起き、南無三、寝過したか、いや、まだまだ大丈夫、これからすぐに出発すれば、約束の刻限までには十分間に合う。――太宰治 (1940年). “図書カード:走れメロス”. 青空文庫. 2023年5月25日閲覧。
- 毎朝魚河岸に出かけ、帰るやただちに仕込みにかかる。飯が炊けて客を迎えるまでには相当時間を要し、正午に間に合うことはきわめて稀で、二時ごろ表をあけるのが日常となっている。――北大路魯山人 (1952年). “図書カード:握り寿司の名人”. 青空文庫. 2023年5月25日閲覧。
- 足りる。その場を凌ぐのに役に立つ。
- 科学の精華は花である。花は古来腹の足しにならぬものと決まっている。間に合うものは科学者の方なのである。――中谷宇吉郎 (1937年). “図書カード:国防と科学”. 青空文庫. 2023年5月25日閲覧。
- はじめは掌で、お顔の汗を拭い払って居りましたが、とてもそんなことで間に合うような汗ではございませぬ。――太宰治 (1939年). “図書カード:愛と美について”. 青空文庫. 2023年5月25日閲覧。
- 「訪問販売の者ですが」「結構です。間に合ってます」(「不要だ」の意)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | まにあわない | 未然形 + ない |
意志・勧誘 | まにあおう | 未然形音便 + う |
丁寧 | まにあいます | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | まにあった | 連用形音便 + た |
言い切り | まにあう | 終止形のみ |
名詞化 | まにあうこと | 連体形 + こと |
仮定条件 | まにあえば | 仮定形 + ば |
命令 | まにあえ | 命令形のみ |