日本語 編集

動詞 編集

みうけるける】

  1. (他動詞) 見かける
    • それから夜の町をぶらぶら見物に出ていくと、町には芝居が興行中であるらしく、そこらに辻つじびらのようなものを見受けたので、僕も一種の好奇心に釣られて、その劇場のある方角へ足をむけた。(岡本綺堂「マレー俳優の死」)〔1926年〕[1]
    • 熱い御飯をのりで巻いて食べる人はたくさんいるが、焼いたのりを茶漬けにする人はあまり見受けぬ。(北大路魯山人「海苔の茶漬け」)〔1951年〕[2]
    • そして東北大学金属科の本多光太郎さんにたいしても、ある質問をするのを見受けたことがある。(山本実彦「十五年」)〔1934年〕[3]
  2. (自動詞) 外観様相などの言外のことから理解する。
    • どこの何者か知らんが、危急と見受ける故、ともかくも一応助けて取らせる。(中里介山「大菩薩峠」)〔1913年-1941年〕[4]
    • このお方はお侍じゃ、貴様達を騙す所存ではないように見受ける。(福澤諭吉「福翁自伝」)〔1898年-1899年〕[5]
    • 東京の郊外に男爵と呼ばれる男がいた。としのころ三十二、三と見受けられるが、或いは、もっと若いのかも知れない。(太宰治「花燭」)〔1939年〕[6]

活用 編集


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  1. 青空文庫(2006年10月31日作成、2009年7月31日修正)(底本:「鷲」光文社文庫、光文社、1990年8月20日初版1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000082/files/45495_24689.html 2019年8月11日参照。
  2. 青空文庫(2012年9月26日作成)(底本:「魯山人味道」中公文庫、中央公論社、2008年5月15日改版14刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/files/54976_49008.html 2019年8月11日参照。
  3. 青空文庫(2009年4月18日作成)(底本:「出版人の遺文 改造社 山本実彦」栗田書店、1969年2月11日第2刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001368/files/49437_34957.html 2019年8月11日参照。
  4. 青空文庫(2001年10月5日公開、2004年3月6日修正)(底本:「大菩薩峠3」ちくま文庫、筑摩書房、1996年3月1日第3刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000283/files/4059_15113.html 2019年8月11日参照。
  5. 青空文庫(2017年5月17日作成、2017年7月21日修正)(底本:「福澤諭吉著作集 第12巻 福翁自伝 福澤全集緒言」慶應義塾大学出版会、2003年11月17日初版第1刷発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000296/files/1864_61590.html 2019年8月11日参照。
  6. 青空文庫(1999年9月29日公開、2005年10月22日修正)(底本:「太宰治全集2」ちくま文庫、筑摩書房、1988年9月27日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/281_19987.html 2019年8月11日参照。