一意 (いちい)
- 一つのことのみにひたすら集中するさま。
- しかしKが古い自分をさらりと投げ出して、一意に新しい方角へ走り出さなかったのは、現代人の考えが彼に欠けていたからではないのです。(夏目漱石「こころ」)〔1914年〕[1]
- そのハルクも、序に片づけておきましたよ。万事片づいてしまいました。あとは、一意、われわれの計画の実行にとりかかるだけです(海野十三「火薬船」)〔1940年〕[2]
- 対応するものが一つだけであること。
- たとえば、単語は文章の中の位置関係、前後の単語との関係において意味が規定されており、その場合でも意味が一意的に定まるとは限らない。(文部科学省「昭和44年版科学技術白書」)〔1970年〕[3]
- [……]情報が一意であるか等個人と情報の結びつきの程度、情報の内容の変更が頻繁に行われていないか等情報の不変性の程度、そして、情報に基づいて直接個人にアプローチをすることができるか等本人の到達性、これらの要素を勘案してというふうなことになります。(山口俊一、第189回国会環境委員会)〔2015年〕[4]
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
推量・意志 | 一意だろう | 未然形 + う |
過去・完了 | 一意だった | 連用形 + た |
否定形 | 一意でない | 連用形 + ない |
自動詞化 | 一意になる | 連用形 + なる |
言い切り | 一意だ | 終止形のみ |
名詞化 | 一意なこと | 連体形 + こと |
仮定条件 | 一意ならば | 仮定形 + ば |
様態 | 一意そうだ | 語幹 + そうだ |