不備 (ふび)
- 備えが不足していること。十分に整わないこと。
- 蓋し選挙の堕落は法の不備にも起因しているが、その根本は法に非ずして人に存する。縦し選挙権を拡張し選挙区制を改めても、国民に政治思想が乏しく公に対する道徳幼穉なれば、同じく諸種の弊害を醸すのである。――大隈重信 (1912年). “図書カード:選挙人に与う”. 青空文庫. 2023年6月10日閲覧。
- まして、新語、新釈語、新外来語、新術語等々の増加に対しても、時運に応ずる適当な処置をとる必要を痛感したと同時に、旧版の分における不備や欠点などを補修してゆくべき義務をもこのさい果すに努める時機が到来したことを省慮したのであった。――新村出 (1957年). “図書カード:『言林』改訂版の序”. 青空文庫. 2023年6月10日閲覧。
- 文意が不完全であること。手紙の末尾に添える言葉。不一。不具。
- もししからざれば、新聞にてちょっと承りしが、不思議研究会にて御発言の節、御説明願いたく候なり。草々不備。――井上円了 (1887年). “図書カード:妖怪報告”. 青空文庫. 2023年6月10日閲覧。
- 貴詠ちと御ひまになり候はゞ御認め下され度、是れ又希上候。匆々不備。九月十二日、鶴所。――小金井喜美子 (1955年). “図書カード:鴎外の思い出”. 青空文庫. 2023年6月10日閲覧。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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推量・意志 |
不備だろう |
未然形 + う
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過去・完了 |
不備だった |
連用形 + た
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否定形 |
不備でない |
連用形 + ない
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自動詞化 |
不備になる |
連用形 + なる
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言い切り |
不備だ |
終止形のみ
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名詞化 |
不備なこと |
連体形 + こと
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仮定条件 |
不備ならば |
仮定形 + ば
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様態 |
不備そうだ |
語幹 + そうだ
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