日本語 編集

この単語の漢字
にん
第一学年
けん > げん
第二学年
音読み

語源 編集

  • 仏教用語の「人間界」から。それ自体は漢語の「人間」(語義3)から。

発音 編集

X-SAMPA: [n'iNgeN\]

名詞 編集

(にんげん 又は じんかん)

  1. (にんげん) (生物学) 立って歩き、言葉や火や道具を使う事などによって、万物の霊長とされるところのヒト。ホモ・サピエンス〔他の動物と区別する場合〕。
    • 「何と見申せど更に人間とは見えず候。如何なる者ぞ名を名乗り候へ」(世阿弥『鵺』)
    • 「きゃつは人間では有まひ」(狂言『蚊相撲』)
    1. 普通の人。万能でないもの。感情を持った卑俗な存在。
      • 「男も人間だし女も人間だ、ばかなことをしたり思わぬ羽目を外したり、そのために泣いたり苦しんだりするのが、人間人間らしいところじゃあないだろうか、」(山本周五郎『五瓣の椿』[1949])
    2. 良識ある道徳的な人。
      • 人間として許されないことをしてしまった。
  2. (にんげん)性格人格人柄
    • 「五年後にもう一度会ひ直さう。少しは人間ができてるかも知れん。」(岸田國士『屋上庭園』[1926])
  3. (にんげん・じんかん)世間、人の住む世界、現世。
    • 「就中仏法流布の世に生まれて、仏法修行の心ざしあれば、後生善生疑あるべからず。人間(ニンゲン、高良本フリガナ)のあだなるならひは、今更おどろくべきにはあらねど、御有様見奉るにあまりにせんかたなうこそ候へ」(『平家物語』灌頂・六道之沙汰)
    • 「子嬰はまた項羽に殺され玉ひしかば、神陵三月の火、いたづらに九重の雲を焦がし、泉下多少の宝玉、忽ちに人間(じんかん)の塵となりにけり。」(子嬰はまた項羽に殺されなさったので、神陵に放たれた日は3か月燃え続け、むなしく空の雲を焦がし、墓の下の多くの宝玉は世間の塵となった。太平記26)

複合語 編集

類義語 編集

対義語 編集

翻訳 編集


中国語 編集

発音 編集

  • 標準中国語:
    ピンイン: rénjiān
    注音符号: ㄖㄣˊ ㄐㄧㄢ
    IPA(?): /ʐən³⁵ t͡ɕjɛn⁵⁵/
  • 広東語:
    イェール式: yan4gaan1
    IPA(?): /jɐn²¹ kaːn⁵⁵/
  • 閩南語:
    POJ: jîn-kan
  • 客家語:
    白話字: ngìn-kiên
  • 中古漢語: ȵiɪn kˠɛn
  • 上古漢語:
    白一平-サガール: *ni[ŋ] kˤre[n]
    鄭張: *njin kreːn

名詞 編集

( (簡): 人间 )

  1. この現世

朝鮮語 編集

名詞 編集

인간

  1. (日本語に同じ)人間。

ベトナム語 編集

名詞 編集

nhân gian

  1. 世間