- ↑ 折口信夫, 『ごろつきの話』, 1928, 『折口信夫 全集』第3巻, 1966 収録:
更に、此頃になって目立って来た、もう一つの浮浪者があった。諸方の豪族の家々の子弟のうち、総領の土地を貰ふことの出来なかったもの、乃至は、戦争に負けて土地を奪はれたものなどが、諸国に新しい土地を求めようとして、彷徨した。此が又、前の浮浪団体に混同した。道中の便宜を得る為に、彼等の群に投じたといふやうなことがあったのだ。後世の「武士」は、実は宛て字である。「ぶし」の語原はこれらの野ぶし・山ぶしにあるらしい。