日本語

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動詞

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する (ひする)

  1. (自動詞, 文章語) (「~比する」の形で)~と比べる対比する。
    • 1941年、桐生悠々「科学的新聞記者」[1]
      科学的新聞の機能は最近の科学的研究の雰囲気と事実とを民衆に知らしむるにある。就中その雰囲気を知らしむることが、重要なる役割である。事実の正確は願わしいものであるけれども、雰囲気の正確に比すれば、さほど重要なるものではない。
    • 1949年、牧野富太郎「植物知識」[2]
      こんな罪のない、且つ美点に満ちた植物は、他の何物にも比することのできない天然の賜である。実にこれは人生の至宝であると言っても、けっして溢言ではないのであろう。
    • 1952年、坂口安吾「明治開化 安吾捕物」[3]
      江戸時代には能登相撲という言葉があって、能登の国には大男が多く、腕の力が特に強いと云われていた。身長に比して腕が長い。相撲に適した体躯の人が能登人に多いと云われていたのである。

活用

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-する 動詞活用表日本語の活用
サ行変格活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形


する する すれ せよ
しろ
各活用形の基礎的な結合例
意味 語形 結合
否定 しない 未然形 + ない
否定 せず 未然形 +
自発・受身
可能・尊敬
される 未然形 + れる
丁寧 します 連用形 + ます
過去・完了・状態 した 連用形 +
言い切り する 終止形のみ
名詞化 すること 連体形 + こと
仮定条件 すれば 仮定形 +
命令 せよ
しろ
命令形のみ
  1. 青空文庫(2005年6月10日作成。底本:「畜生道の地球」中公文庫、中央公論社、1989(平成元)年10月10日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000535/files/43778_18724.html
  2. 青空文庫(2007年12月17日作成、2012年5月13日修正。底本:「植物知識」講談社、1993(平成5)年10月20日第22刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001266/files/46821_29301.html
  3. 青空文庫(2006年5月23日作成、2016年3月31日修正。底本:「坂口安吾全集 10」筑摩書房、1998(平成10)年11月20日初版第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/43217_23309.html