日本語 編集

動詞 編集

する (ちょうする)

  1. (他動詞)色合いなどを〕表面現す。(主に「を潮する」の形で用い)興奮羞恥赤らめる紅潮する。
    • 1892年、ハンス・クリスチアン・アンデルセン、森鴎外訳「即興詩人」[1]
      われは少女の面の紅を潮するをみたり。少女は目を開けり。而してわれ始てその瞽なるを知りぬ。
    • 1918年、中村清太郎「黒部川峡谷の話」[2]
      朝日岳は満岩に熱血を潮して、なんという重さだろう。傾斜の花の群れは、強度の日光に直射され、岩の光り、雪の光り、雲の光りに反照され、峯の「吹き下ろし」にゆらめき戦いで、銀河そっくりキラキラとまたたいている。
    • 1922~26年、国枝史郎「蔦葛木曽棧」[3]
      「心得ましてござります」こう市之丞は凛々しく云って、芳江の方へ眼をやった。芳江の顔は紅を潮し、堅い決心を示している。

活用 編集

潮-する 動詞活用表日本語の活用
サ行変格活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形


する する すれ せよ
しろ
各活用形の基礎的な結合例
意味 語形 結合
否定 潮しない 未然形 + ない
否定 潮せず 未然形 +
自発・受身
可能・尊敬
潮される 未然形 + れる
丁寧 潮します 連用形 + ます
過去・完了・状態 潮した 連用形 +
言い切り 潮する 終止形のみ
名詞化 潮すること 連体形 + こと
仮定条件 潮すれば 仮定形 +
命令 潮せよ
潮しろ
命令形のみ

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  1. 青空文庫、2005年8月25日作成、2008年9月17日修正(底本:「定本限定版 現代日本文學全集 13 森鴎外集(二)」筑摩書房、1967(昭和42)年11月20日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000019/files/4376_19283.html
  2. 青空文庫、2020年3月28日作成(底本:「ある偃松の独白」コマクサ叢書、朋文堂、1960(昭和35)年5月15日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001954/files/58704_70776.html
  3. 青空文庫、2016年4月3日作成(底本:「蔦葛木曽棧【上】」大衆文学館、講談社、1996(平成8)年12月20日第1刷発行。「蔦葛木曽棧【下】」大衆文学館、講談社、1997(平成9)年1月20日第1刷発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000255/files/47055_58737.html