玩 物 喪 志(がんぶつそうし)
- 珍しい物に夢中になるあまり、大志を忘れてしまうこと。
『書経』旅獒
- 殷の紂王を誅滅して周王朝を樹立した武王の元には諸国から貢物が集まり、旅(りょ)の国からは獒(身の丈四尺に及び、人の心を解する大犬)が献上された。武王は大いに喜んだが、重臣の召公は武王が珍獣に心を奪われて国政を疎かにしては国が滅ぶと懸念し、以下のように説いて武王を諫めた。
- 【白文】
- 玩人喪德、玩物喪志。
- 【訓読文】
- 人を玩べば徳を喪ひ、物を玩べば志を喪ふ。
- 【現代語訳】
- 他人をおもちゃのように扱えば、自分の徳を失う結果に陥る。物をもてあそべば、志を失う結果に陥る。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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否定 |
玩物喪志しない |
未然形 + ない
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否定(古風) |
玩物喪志せず |
未然形 + ず
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自発・受身 可能・尊敬 |
玩物喪志される |
未然形 + れる
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丁寧 |
玩物喪志します |
連用形 + ます
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過去・完了・状態 |
玩物喪志した |
連用形 + た
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言い切り |
玩物喪志する |
終止形のみ
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名詞化 |
玩物喪志すること |
連体形 + こと
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仮定条件 |
玩物喪志すれば |
仮定形 + ば
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命令 |
玩物喪志しろ 玩物喪志せよ |
命令形のみ
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