kamuy
アイヌ語
編集カナ表記 カムィ/カムイ
発音
編集- カ↗ムィ
名詞
編集kamuy
語源
編集単独例の初見は『松前の言』(1627・28頃)で月を意味する「カモイ」[7]。『新羅之記録』(1614)の「カムイトクイ」(松前藩主を指す語)の前部にも見られ[8]、同書は15世紀から16世紀の言葉が記録されているため、さらに遡る可能性がある。
日本語「神」との借用関係があると考えられているが、借用方向には諸説ありいまだ判然としない。アレキサンダー・ヴォヴィンはアイヌ語から日本語に借用されたとしている。上代日本語「神( kamï )」のより古い形( kamu+i )を保存している可能性が議論されている[9]。
関連語
編集- kamuy-mosir カムィモシㇼ 神の国、天。
- kamuy hum カムィ フㇺ
- kamuynomi カムィノミ
- kamuycep カムィチェㇷ゚
- kamuynere カムィネレ 神にならしむ。
- eyaykamuynere エヤィカムィネレ 尊ばれている。矜としている。
- sikamuynere シカムィネレ お高く止まる。高慢である。
- kotankorkamuy コタンコㇿカムィ
- kimunkamuy キムンカムィ
- repunkamuy レプンカムィ
- sarorunkamuy サロルンカムィ
- kapatcir kamuy カパッチリカムィ
- kamuytono (カムィトノ)「和人の殿様」(古語・廃語)
出典
編集- ↑ 黒川てしめ (1969), “24-5 ウエペケㇾ「カネサンペアッ イワンサンペアッ」(金属の心臓の緒、六本の心臓の緒)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月
- ↑ 黒川てしめ (1969), “24-5 ウエペケㇾ「カネサンペアッ イワンサンペアッ」(金属の心臓の緒、六本の心臓の緒)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月
- ↑ 黒川てしめ (1969), “24-3 ウエペケㇾ「ケレㇷ゚ノイェ ケレㇷ゚トゥㇽセ」(トリカブトとオオトリカブト)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月
- ↑ 黒川てしめ (1969), “24-4 ウエペケㇾ「スㇽクトノ イピㇼマ」(トリカブトの女神の警告)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月
- ↑ 黒川てしめ (1969), “24-4 ウエペケㇾ「スㇽクトノ イピㇼマ」(トリカブトの女神の警告)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月
- ↑ 黒川てしめ (1969), “24-2 ウエペケㇾ「アレヘ パㇱクㇽイワ」(カラス山という名)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月
- ↑ 平山裕人 (2013), “カムイ”, アイヌ語古語辞典, 明石書店
- ↑ 平山裕人 (2013), “カムイトノ”, アイヌ語古語辞典, 明石書店
- ↑ Alexander Vovin (2011), “On one more source of Old Japanese i₂”, Journal of East Asian Linguistics, 20 (3)