あずる

日本語

動詞

あずる【足摩る・足摺る】

1. 奔走する。忙しく働く。
2. (静岡弁) 心が変わりやすい。飽きる。
   • 「あんまりあずるから損をする」――『静岡県方言辞典』静岡県師範学校・静岡県女子師範学校共編、吉見書店、1910年3月、7頁。
3. (静岡弁) 心が安定しない。迷う。
   • 「大層物事にあずる人だ」――『静岡県方言辞典』静岡県師範学校・静岡県女子師範学校共編、吉見書店、1910年3月、7頁。
4. こまる。くるしむ。
   1. (近畿方言, 中国方言) 手こずる。困る。兵庫県・中国地方の方言。
      • 「それでもやっぱり、それぞれの台にのせて足でふんまえて挽かんと足摺（あず）るがな」――井口宗平「弁慶の話」『民話の炉ばた』のじぎく文庫、1966年9月、4頁。
   2. (淡路弁) 持て余す。手に負えない。
      • あの児の腕白には母親もあずつてゐる。――田中万兵衛『淡路方言研究』福浦藻文堂書店、1934年7月、131頁。
   3. (広島弁) 窮する。
      • 此国にて。窮することをあずるといふは。足摺（アシスリ）なり。――「秋長夜話」『国語学大系』第20巻方言（2）、福井久蔵撰輯、厚生閣、1938年4月、134頁。
   4. (四国方言) 苦しむ。悶える。
   5. (伊予弁) 苦しみ働く。苦しみながら生活する。
5. (中国方言) あがく。もがく。
6. (中国方言) 睡眠中に動き回る。寝あずりする。
7. (中国方言) 焦る。気があせる。

活用

活用と結合例

あず-る 動詞活用表（日本語の活用）

ラ行五段活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
あず	ら ろ	り っ	る	る	れ	れ

各活用形の基礎的な結合例

意味	語形	結合
否定	あずらない	未然形 + ない
意志・勧誘	あずろう	未然形音便 + う
丁寧	あずります	連用形 + ます
過去・完了・状態	あずった	連用形音便 + た
言い切り	あずる	終止形のみ
名詞化	あずること	連体形 + こと
仮定条件	あずれば	仮定形 + ば
命令	あずれ	命令形のみ

関連語

• あしずる

成句

• あずり貧乏
• あずり貧乏人宝